神祖の魔王アルトサウディウス
今の世の中、色んなところでイラストレーターさんに依頼ができるのでどうせだったら自分の世界観のキャラを描いてもらおう、ということで描いていただきました。
こちら、神祖の魔王アルトサウディウスです。
ある意味、無印のエスペランサーの世界の根幹をなす存在なので、いつかイラストをお見せできればと思っていたのですが、自分のイメージにあるアルトサウディウスをイラストに出来ました!
これもこのブログを見ていている方ならなんとなく分かっていたかもですが、私の中のアルトサウディウスは少年と青年の中間。男とも女とも取れる中性的な容姿というのがイメージと言うか大前提としてありました。
そもそもがアルトサウディウスの父親であるクレイムディアが生まれながらの完全な神で、その容姿も神に相応しい美しいものなので、それを色濃く受け継いだアルトサウディウスも当然美形です。
ただこの場合、アルトサウディウスは中性的な美形というのが自分の中では決まっていました。
これはアルトサウディウスが持つ「欲望」がある意味、子供のように純粋な無垢なものというものもあり、それを宿すアルトサウディウスもまた子供と大人の狭間のような存在をイメージしております。
ちなみにアルトサウディウスの黒髪は『眠りの翼』によるものです。これの効果で膝くらいまで伸びる長髪となっております。
また金の瞳も『狂戦士の瞳』による影響です。と言ってもこれらはほぼ生まれつきの特徴みたいなものと思っていいです。
その他の魔王の呪いによる外見的な変化は現れておりません。
腐敗の剣や石化の腕などは実際にそれを発動した際に外見的特徴に現れるくらいです。そもそもアルトサウディウスは自身の魔王の呪いを完璧に制御しているので、呪いによる外見的特徴もある程度は制御可能です。
この辺がアバドーンとの大きな違いですね。
彼は全力を出した際は、その呪いの負荷に耐えきれず、全身に滅びの疵が広がっておりましたが、アルトサウディウスは真のその力を自在に制御出来た唯一無二の存在ですね。
こうして見るとやはりアバドーンの最終形態は、なんとなくアルトサウディウスに似ていますね。
あ、ちなみに自分の中の強者の特徴である「ノースリーブ」をもちろんアルトサウディウスはしております。というかこれもアルトサウディウスというキャラを作った初期の段階でほぼ決まっておりました。
「上半身裸」と「ノースリーブ」系のキャラはエスペ世界では上位強者の証ですので。
エスペ戯言10
■マクスウェル初期の10体(ビギニング・テン)
というわけで、前回の記事を踏まえて、ここではマクスウェル初期の被験体、とりわけ全シリーズの中でも特に優秀とされた初期の10体を見ていきましょう。
被験体01:「始まりの魔王」アバドーン
被験体02:「囁きを聴く者」ニナ
被験体03:「剣聖の写身」アークレプリカ
被験体04:「覇者の御影」ミュウ=マクスウェル(当主だったためマクスウェルの名を授かる)
被験体05:「赤の干渉者」ロート
被験体06:「空の偽帝」エデンレプリカ
被験体07:「海の歌姫」ノアレプリカ
被験体08:「地の暴君」エルドラードレプリカ
被験体09:「不死の騎士」ベルセルス
被験体10:「???」ユベリウス=マクスウェル(当主)
というわけで上から順に見ていくと、まず被験体01アバドーン。
こいつは言わずもがな、神祖の魔王アルトサウディウスのレプリカのためNo.1にもかかわらず、その能力は歴代の中でもずば抜けています。
まず滅びの疵のみの継承かと思わせて、こいつは他の五大魔王が有する呪いの他にも色々持っており、合計5~6個くらい持ってるんじゃないですかね?
シスターリリスから生み出されたとはいえ、最初がこれとか当時のマクスウェルの凄さが分かりますね。
次に被験体02のニナ。
こいつは他のNo.に比べると大したことないと思われがちですが、そんなことはありません。こいつの能力実は干渉者という視点で見ると、とんでもないのです。
まずニナが持つ「人の悪意の声を聞く」能力。これの能力範囲が実に世界全体を覆うほど。それだけの共鳴能力はどんな干渉者にも不可能なほどです。
悪意の声限定ってのが、かなりのマイナスですけど、それでも本人ですら気づいていないトラウマや過去の悪行すら聞く(吸収)出来る能力は化け物です。
ちなみにこの能力は人間だけではなく、世界そのものにも及び、世界の声や、そこに刻まれた悪意の記憶も読み取ることが可能です。
後にヴァイスがこの能力を受け継ぎますが、これによって彼は現在の世界が神王によって書き換えられた世界だと知り、魔王によって世界樹の理そのものが汚染されているのを知り、本来のあるべき世界に戻そうとしたのです。
つまりヴァイスに世界の真実を教えるきっかけとなった能力なので、ニナのこの能力はまさにエル=ユーナに大きな影響を与えています。
なので干渉者に近づくというマクスウェルの当初の目的からすると、このニナはかなりその理想に近かったのです。
あとニナ自身の戦闘能力も相当高いです。この悪意の声を聞く能力もニナ自身から吹き上がる悪意を抑えるために、外から吸収するように与えられた能力になりますが、当初の生まれたままのニナは湧き上がる悪意に身を任せる完全な殺戮者であり、これもようするに神祖の魔王に近づけようとした結果ですね。なのである意味、純粋な殺戮者であり、魔王が持つ純粋な欲望の理に近づけようとした結果になります。
あとニナは狂戦士の瞳の持ち主でもあるので、そのため本来は思考することない純粋な殺戮の化身だったのですが、それはマクスウェルの目的ではなかったというわけです。
割りとニナに関しても語っていない設定が多々あるので、この辺もその内詳しく語りたいですね。
次の第3、第4も言わずもがなの性能ですね。
この二体を生み出した時期というのが、アークとフォルクスの決着後だったので、両者の血液サンプルを取って生まれたのが、アークのレプリカとフォルクスのレプリカのミュウ。
春剣でも「フォルクスのレプリカがいるのに、アークのレプリカはいないの?」と思った人もいるでしょうが、ちゃんといます。というかほぼ同時に作られました。
ただこの時コントロールがうまく行ったのがミュウだけでした。第3被験体の方は制御不能で危険分子として封印されました。
で、その後、満を持して第5の赤の干渉者ロートの完成。
ぶっちゃけ、こいつでもうマクスウェルの研究完成じゃね?というくらいの完成度です。
ただ、こいつもある意味では失敗作になります。なぜかというとあまりに「完成」に近かったから。
どういうことかというとマクスウェルの目的はあくまでも、あいつらが神になること。
しかし、この第5被験体はあろうことか自分が神になろうとしたんですよね。
まあ、こいつのオリジナルを考えれば当然の結果ですが。なので、マクスウェルが「あ、こいつやばい」と封印しました。
で、その後の6~8は前回の通り、三王のレプリカ。正直、こいつらもかなりの強さです。
第1が魔王、第3が初代剣聖、第4が不敗の覇王とか。これだけでもオールスターなレプリカなのに、その後に三王のレプリカとか、本当にマクスウェルはどんだけとんでもないもの作っているのやら。
ちなみにこいつらも性能はピカイチですが、その性能の高さと、オリジナルに反映された性格に問題が有りということでこの三体も封印。
正直、ここまで見れば分かりますが初期のマクスウェルの被験体って能力を特化させるあまり、コントール出来る被験体が全然いないのですよ。
唯一出来たのが第4のミュウくらいなのです。これはまあ、元となったフォルクスの性格の影響もあるんでしょうね…(あの人、武人ですし)
なので、第9、第10ではこれまでのようなピーキーな能力を抑えめに、もう少しコントロール可能なものにしようとしました。
それが第9と第10。この二人もほぼ同時に作られました。
第9は一見すると制御不可能に見えますが、それを制御するために第10が作られました。
この第10はこれまでの被験体の例を踏まえて、被験体をコントロール出来る被験体を生み出そうということになったのです。
なので、当時のマクスウェルの当主が自らを被験体へと変え、その能力をテストするために第9を作り、コントロールに成功。
これによって、後のシリーズも当主である第10が制御して、ようやくマクスウェルの時代が来たぞー!ってところで、はい。本部が滅茶苦茶になりましたと。
それにしても改めて初期の10体を見ると、こいつらだけで五大魔王に張り合うというか、それ以上の戦力を持ってますね。
(まあ、不敗の覇王はさすがに別格かもですが)
しかし、何度も言うようにマクスウェルは別に世界征服だとか、強い奴を生み出したから被験体を作っているわけではありません。
こいつらの目的はあくまでも「干渉者」(神)に到達すること。
そのための材料であり、実験として作られているのが被験体なのです。
ちなみに第22被験体「王の体現者」はこいつらより強いの?と思われますが、断言します。
こいつらより強いです。
というか、「王の体現者」こそが文字通りマクスウェルの目的の到達点……ある意味、それを越えた存在となりました。
エスペ戯言9
■第三ルート
じゃあ、久々に供養しますか。
だいぶ前にルティ編、ティオン編をクリアした後の両主人公編となる第三ルート(いわゆるトゥルー)編を作る予定でしたが、結局それボツになりました。
これ春剣を公開するときも正直、入れたかった部分はあったのですが、なぜ実装できなかったのかというと単純に私の体力不足。
いや、これマジで何言ってるの?と思われるかもしれませんが、ゲーム作るのマジで精神と体力の消耗が半端ないのですよ。当時、長編作るのはほぼ初めてだったのかな?その影響もあり、後半かなり体力的にガタガタでした。
あといつまで経っても公開できないって製作者的に思ったよりも精神的ストレス(むしろダメージ?)が蓄積されていたんですよ。
「二つのルート作ったけれど、その上更に第三ルートとか終わらなくね……?やばい絶対にエターなる……」
あと正直に言うとルート一つ作り終えると、それで製作者としては「終わったー!」とゲーム一本作ったような感覚になるのですよ。実際ルティ編を作り終えた時点で結構疲れと達成感が溜まってました。
とはいえ、さすがにルティ編だけでは不完全すぎるので頑張ってティオン編作りましたが、正直同じようなゲームを二回作るのはかなり精神的にきつかったですね。
ということでもう正直、ルティ編・ティオン編が完成した時点で早く公開したのです。
あと初期をプレイした人なら知っていると思いますが、その初期もかなり不完全というか色々穴が空いてる状態なのですよ。
それほど当時の私が制作に慣れておらず、かなりボロボロの状態で「ここで公開しなければ一生公開できない」と思って公開に踏み切ったのです。
まあ、結果はあの通りですが。
その後は隠しダンジョンの搭載だとか、穴の空いた部分の修正をしつつ、その流れで未完のまま実装できなかった第三ルートを入れようと思っていましたが。
はい、ぶっちゃけ言います。
「無理だ」と折れました。
理由はいくつかのあるのですが、ぶっちゃけツクールの仕様が大きいです。
春剣のツールはRPGツクールVXなのですが、なんとこのVXマップが最大999個までしか作れません。
実は春剣は隠しダンジョンを作った時点で999個だったのです。つまり、あそこから新たにマップを作ることはできません。作るにはすでに作ったマップを削ったりしないといけないのです。
もうこれで「あ、無理」となりました。
まあ他にも当時肉体的にかなりきつかったので、あそこで再び長編のゲームを作るのは難しいというのもあって折れました。
まあ、そんなこんなで第三ルートは消えました。
一応プロットはあるのですが、どんな話になったのかというと、これがいわゆるプリマヴェーラで使おうとしていた話だったのです。
ただ第三ルートを入れるのが無理だと思ったので、ティオン編後の話ということでプリマヴェーラが出来たのですが、もし第三ルートに入れるとしたら、ティオン編を辿らない話になるので、結構大筋が異なってきます。
なので第三ルートはティオン・ルティに加えてヴァイス主人公のルートにもなります。
敵は例の如く、赤の干渉者。
ただこの時点では不敗の覇王、この世の白という二つの巨大な勢力があるので、赤の干渉者にもそれなりの人材というか幹部クラスの敵が必要です。
それが地王、海王、空王のレプリカ。これらが部下として存在して、マクスウェル側として活躍する予定でしたね。
ちなみにアークのレプリカもいます。
このアークのレプリカで不敗の覇王の動揺を誘って、赤の干渉者がフォルクスの時間を凍らせ物語終盤まで動かせなくするとかそんな予定でした。
ぶっちゃけフォルクスってどのルートでも設定上滅茶苦茶強いので扱いに困ったんですよね。それでまあ、どのルートでも策略によって一旦物語から追い出されるという可哀想な役回りになります。
で、このルートでは確かルティとヴァイス達が組んで、赤の干渉者であるマクスウェル陣営と戦う予定です。
正直このルティとヴァイスが一緒に組んで旅をするというのを当初の予定ではやりたかったんですよねぇ。まあ、結局実現しませんでしたが。
あと三王のレプリカについても、前回の記事でちょろっと呟いていましたが元々予定と言うかそういう設定はありました。
ただこいつら出すと、春剣のパワーバランスがまた一気に跳ね上がるんですよねぇ。
正直、ルティ編・ティオン編でも大概パワーバランス壊れた敵味方が登場してたのに、これ以上出していいのか?みたいな感じはありましたが。
あ、あとこのルートだとティオンの姉ちゃんが大活躍する予定でした。
確かティオンのライバル的な存在で終盤まで登場予定だった。あとこいつの過去も本編中だとよく分からない感じに濁していたので、そこら辺も詳しく明かす予定でした。
で、他と大きく違うのがヴェイゼアがかなりマトモなキャラになる予定でした。
「ん?どういうこと?」と思ってる人もいると思いますが、あれ本編の話をちゃんと見た人なら分かるのですが、ヴェイゼアってそもそも頭を打って脳に障害が出来た影響であんな風になってるんですよね。
そこを先代の暗殺者殺しに洗脳されたり、ガルムに利用されたりして(まあ悪いのはどう考えてもあの母親ですが)
なので、本来の頭を打つ前の「レイチェルの妹」だった「アルフレッド」はマトモな人物なんですよ。
で、第三ルートではそのヴェイゼアが「アルフレッド」に戻る予定で、これでヴェイゼアのキャラが変わって、まともなキャラとして活躍する予定でした。
性格的にはルティ編のクリスが滅茶苦茶人見知りするみたいな性格でしょうか。ちなみにアルフレッド状態では逆に殺しに対して異常な恐怖を覚えるようになって、絶対に人を殺さないキャラになってます。
あとグラドさんをカッコよく演出する予定でした。
どれくらいカッコよくする予定だったかというと、ティオン編のフレイくらいカッコよくする予定でした(?)
まあなんにしても、そんなこんなで没になったんですが。
この辺のプロットはだいぶ前にメモ帳に書いて、そのまま放置したのですが、もし興味がある人がいれば、その内またこの辺の設定語ります。
エスペ戯言8
というわけで前回、失われし都市を公開したのでそれ関連の話でもちょっとしますか。
まあ、ぶっちゃっけそろそろネタが尽きそうだったので、新しいネタ投下の意味でもちょろっと公開したのですが。
■失われし都市は正史?
これは正直、明言しないというよりも出来ない感じになっています。
というのも、そもそもがこの失われし都市自体がエスペランサーの外伝的な話で、歴史上に正史として、存在しても存在しなくても問題ない話だからです。
無数の歴史の中の一つとして、こういう話もあったよ的な感じで考えてもらえるといいです。
ちなみにパラレルワールド推奨の世界ですが、歴史的分岐点というか、エスペ世界において重要な話はどんな並行世界でもそこにたどり着くようになってます。
例えば
↓ ↓ ↓ ↓
【どのルートでも必ず春の剣聖の話にたどり着く(ルティ編orティオン編)】
↓ ↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ↓
【どのルートでも必ず確定されし滅亡が訪れる】
まあ、こんな感じです。
この内のBの世界線に「失われし都市」の物語があったくらいに思っていていいです。
■空王エデンの姿
というわけで、エデンの素顔は失われし都市に登場したアヌビスの姿まんまでいいです。
アヌビスは黒髪ですが、エデンはあれが紫髪という感じでOK。
性格もほぼほぼエデンと似たような感じです。
ただアヌビスのほうが若干機械的な考え、性格になりますが。
しかし、あれですね。エデンはアヌビスといい、アイオーンといい、自分の人格をやたらコピーしてますねw
だいぶ前なんですが、没になったプリマヴェーラにもエデンのレプリカであるマクスウェル被験体を出そうかと思っていたのですが、そうなると3体以上もエデンのコピーがいてさすがにこりゃ多すぎですわ。
ということでマクスウェルでエデンをコピーした被験体は登場しないかなぁ……。
ただガルムはエデンの息子なので、自分の父親の遺伝子情報を手に入れるのは比較的簡単なんですよねぇ…。まあ、このへんは今後使えそうだったら使う。そうでなければ放置みたいな感じですかねぇ。
■エデン三兄妹
はい。というわけで実はエデンの息子はオシリス、セティの二人ではなく、イシスを含めた三兄妹です。
オシリスさん妹いたんかーいという感じですが、ではその一番下の妹は何していたのかというと、まあエデンの園の管理ですね。
本編中じゃポンコツしてましたが。
ただこのイシスに関しては色々と掘り下げが出来るキャラなので、今後もしかしたら希望の軌跡あるいは他の物語で登場させるかもです。
失われた都市
そういえば、春剣からもう11年(?)かー。
ずいぶん経ったなー。
10周年の時に小説の公開とかしようと思ったけれど、結局できなかったんだよなぁ。
11周年もなにかすればよかったかなぁ……。
あっ、そうだ。
もう11年も経ったし時効だから、エスペランサーのエロゲーでも公開するか。
ちなみにガチのR18です。
内容が内容なんで48時間限定で上げておきます。
https://firestorage.jp/download/e9340fc13c8e885354f1f3201ef0710ac21809ec
ダウンロードパスワード rkp1zvjp
ちなみに登場キャラの中にはイフちゃん、ティート君などもおり、それらのキャラと普通に☓☓出来ちゃうのでイメージ壊したくない方は絶対にプレイしないように。
いいか!絶対だぞ!絶対にするなよ!フリじゃないぞ!!
エスペ戯言7
・神王の目的
ということで、ここでは散々諸悪の元凶として言われている神王クレイムディアですが、そもそもなんでこいつがこんなことをしたのか?
というか、なぜル=ヴァルがクレイムディアをエル=ユーナの統治神として配置したのか普通だと疑問に思う点もあります。
結論から言うとクレイムディアの行いこそが神々の目的に繋がっていたからです。
というのもル=ヴァル含める一部の上位神の目的が『人類を理の領域に引き上がる』のが目的だからです。
これはいわゆる『人間としてステージを次の段階に上げる』という、よくある神々の目的の一つです。
そもそもエスペ世界の人間というのが、神の子供という立ち位置で、言ってしまえば人類は神の劣化品。なので、それを本来あるべき状態、あるいはそれ以上の存在へと成長させるのが目的でもあります。
そのため、ル=ヴァルは人間をエル=ユーナの世界へ移住させましたが、ここで一つの問題が起こります。
それがエル=ユーナが『完成された楽園』だったということ。
すでにこのブログを読んでいる方なら周知の事実ですが、本来のエル=ユーナは争いどころか原罪すら存在しない完璧な楽園です。
それこそ神々が存在する世界に匹敵、あるいはそれを上回るほどの完璧さです。
ですが、この完璧すぎる楽園が逆に欠点となったのです。
すでにお察しの方もいると思いますが、この完璧すぎる楽園では『人間が成長する余地がない』のです。
これは非常に皮肉なことですが、あまりに世界が完成されすぎているので、そこに暮らす人々は平穏な日々を生涯過ごします。
そうなると当然、そんな世界で人間の成長、特に魂レベルにおける成長は起こりません。
人が神の領域、すなわち理の領域に上がるにはこの魂の成長無くして絶対にありえません。
そこでル=ヴァルが行ったのが神王クレイムディアの配置。
そして、神王はその期待に見事に応えたのです。
つまり、完璧な楽園である世界システムの破壊。そして、その後原罪を含めた世界に争いという事象を残し、人々が戦い続ける今のエスペ世界が出来上がったのです。
なのでこれまで散々クレイムディアはクソ。と言っておりましたが、こいつのやっていることにはちゃんと意味があったという話です。
というよりも、こいつがいなければそもそもエスペの世界自体が始まらず、それに伴うエスペランサーという希望も生まれませんでした。
実際、こうしたエスペランサー達が生まれたというのは人間が神話の時代よりも魂がはるかに成長したという証です。
最終的にはここから理に至る人物が誕生すればクレイムディア、ひいてはル=ヴァルの目的達成ということになります。
ただこのエル=ユーナで理を宿す者が生まれるというのは非常に難しく、それこそ不可能の領域に近いというのは前にどこかで言ったかもしれません。
ですが、そんな世界でなお人の成長が、エルドラシルの理を上回り、そこから新たな理が生まれれば、それはル=ヴァル達の理想通り、人が次の段階に進化したという証明になるのです。
ちょっとネタバレになりますが、実は確定されし滅亡も、こうした人が次のステージ、新たなる進化へと至るための道筋の一つだったりします。
無論グレストや今世界に住む人達からすれば、それは滅びに見えるかもしれませんが、もっと大局的な目――つまりル=ヴァルなどの至高神クラスの目で見ると、それは紛れもなく人が『新たな領域』へと進化しているということに繋がるのです。
ここらへんは本当にエスペ世界あるあるの、上位の存在になるほど見方が変わるというやつですね。
なので、なぜクレイムディアがエル=ユーナの世界システムにこんな致命的な欠陥を残したのか、実はファルナス含めヴァイスすらもその真意には気づいておりません。
ちなみに、今のエスペ世界がこのようになった元凶が神王クレムディアという事実もファルナスとヴァイスくらいしか知りません。
その二人もなんでクレイムディアがそんなことをしたのかと問われると、ファルナスは「あの人(神)はそういう人(神)ですから……」とそもそもクレイムディアの思想が神すぎるということで自分たちとは違うと理解を諦めてます。
一方ヴァイスは「神王はクソ」とブチギレしております。なので、上記のクレイムディアの真相に関しては当然知るはずもなく、だからこそヴァイスはエル=ユーナを本来あるべき原罪なき楽園の姿に戻そうとしていたのです。
ですが、仮に原罪なき楽園に戻ったとしたら、確かにそこに住む人々は幸せに穏やかな日々を過ごしますが、言った通りその世界では人の成長は見込めないので、当然人が成長することはおろか理に至る人物なども現れないということですね。
これもまた非常に皮肉な事実となります。
ぶっちゃっけこうなると、どちらが正しいのやらという話になりますね。
なので、神王は人間視点(というか主にヴァイス)から見るとそりゃもうクソですが、神という視点から見ると滅茶苦茶有能なんですよね。これも前に何度か言いましたね。神王は神としては優秀。つまりはこういうことです。
あ、ちなみにそうした裏事情は当然エスペ世界の人間は知らないので、この世界を統治した偉大な神ということでクレイムディアはセファナードをはじめ色んな国で信仰されております。
ちなみにル=ヴァルの最終的な目的としては『理』そのものを超越して欲しいと考えております。
いわゆる至高階位に至ることで、宇宙そのものの法則を変えることが出来るのでル=ヴァルとしてはそこまで人が成長することで母であるラム=リファーナを越えた世界を人間が作って欲しいと願っているのです。
そんなこと出来るの?と思われるかもしれませんが、実際エスペセイバーでそこまで至ったエスペランサーがいたので可能です。
まあ、最終的には全人類が理に至れば、それで人類の進化は果たされ、人類は新たなステージに移行出来ると思います。
・本来あるべき世界
というわけで、そもそもエル=ユーナ自体が閉鎖された楽園なので、それを壊す必要があったのです。
これも前に何度も言っていますがエルドラシルの理はそれほど異質なのです。
では、本来あるべき世界とはどんな姿か?
それがエスペランサーセイバーの姿です。
これはエスペセイバーの世界地図を見ればなんとなく分かりますが、エスペセイバーでは複数の世界というか理が混在しております。
あれ、地図だと大陸に見えますが違います。あれ「世界」です。
つまり世界の中にいくつもの世界があるのです。これ本来のエスペ宇宙に存在する世界のあり方です。
分かりやすく言うと地球の中に火星があったり、水星があったり、土星があったりするということです。しかも一緒の世界なので、地続きで渡ったり海を渡ってその世界に行くことが可能。
どういうこっちゃ?そんなのが可能なの?と思われますが、それを可能としているのが「理」なので、そういうことなのです。
実際、エスペセイバーでは「東源郷」なる世界がエスペセイバーにありますが、この「東源郷」の大きさは旧エスペランサーのエル=ユーナ(エルドラシルの世界)のおよそ五倍以上だと考えていいです。
それがなぜか世界に一緒の世界に収まっているのです。それがエスペ世界の本来あるべき姿。
なので、エスペ世界の宇宙では星から星へ移動する際、宇宙船とかで星の海を渡って移動するのではなく、その世界を支配する理の持ち主が「あ、あの世界いいな。じゃあ、オレの世界と繋げよう」と思った瞬間に、その2つの世界が融合して地続きで世界間の移動が可能となるのです。
この時、宇宙からその星を観測すると、一つぶんの星が二つぶんに膨らむ感じでしょうか。あるいは理パワーで外見はほぼ変わらず、だけど、中身の世界や大陸が増えているとかそんな感じでしょうか。
なので、本来の第三境界の星はそのように世界同士が繋がり広がるという特殊な世界となるので、人の成長もその分かなり多くの可能性があります。
なにせ自分の世界だけではなく、他の理の世界も繋がるので、その世界の影響を受けたりも出来ますので。
まあ、それが実際のエスペランサーセイバーの世界なので、セイバーの世界観は実に多種多様でいろんな可能性や世界があるので、無印よりも成長が期待できます。
ル=ヴァルがしたかったのも、エスペセイバーのようにエル=ユーナの世界が様々な世界(理)と繋げたかったのです。
前の記事でエルドラシルの優秀さを散々語りましたが、このように他の世界や理と繋げられないのは、彼女の理の致命的な欠陥とも言えます。
まさに「揺り籠」というのが彼女の理、世界に相応しい名前でしょう。
まあ、それはともかくそんな感じでエスペセイバーではいろんな世界や理と繋がる予定です。用語辞典では、カナンや星蝕界、サハラ、東源郷くらいですが他にもいろんな理の世界と繋がり、そことの話を広げたいと思っております。
あれ、もしかしてこの設定って案外ソシャゲ向き?