エスペ世界における強さ

よく漫画やゲームとかで明らかに格上の敵に対して、主人公側が勝利するというのはよくあるパターンであり、それは彼らが主人公であるから敵に負ければ物語が終わってしまうという根底の条件があるからこそ、どんなに力の差が離れていても勝利するものですが、作品によってはそうした勝利はある意味「理由」が存在し、必ずしも主人公側が都合のいい覚醒をしたから勝ったとかではなく、主人公側だけでなく敵にもある種の負けるべくして負けた理由があるものだと思います。

 

そうした本来は絶対に負けるはずのない敵が負ける理由。あるいはそれに勝利できる理由がエスペランサーセイバーには明確に存在し、作中では絶対に語れない部分を語っていこうかと思います。

 

・理持ちは人間相手には全力は出せない

エスペセイバーにおけるはるか強大な存在であり、格上の存在「理持ち」

それは本来「神」と定義出来る存在であり、人間が敵う存在ではありません。

ですがエスペセイバーではこうした理持ちは多種多様に存在し、そうした敵と対峙しながらもプレイヤー側いわゆる主人公側が勝利できるのには主人公側における強化や覚醒だけでなく、ちゃんとした理由があったりします。

まずタイトルの通り、理持ちは人間相手に全力は出せません。

これはいわゆる本能に近い感覚であり、むしろ人間相手に彼らは全力を振るえない制限があると言ってもいいです。

作中でも何度か言っていたのですが理を持つ神は基本、傲慢です。

というよりも神とは本来そういう存在です。まず単一の感情あるいは事象を極め、それに到達し神となった者達なので、それ以外の感情は基本希薄です。なので人のように様々な事象に対する受け止め方の変化がありません。終始一貫、感情はほぼ一つのみ。

なので彼らは自身と同等という存在を人間には見ません。見せるとしてもそれはおそらく同種のみ。このため、彼らが人間相手に全力を出すということはありえないですし、できません。

全力を出すということはそれは相手を自分と対等と見る行為です。

それは単一の感情に至り人の領分を逸脱した者が、かつての人の領分であった者を自分と同等と見る自己矛盾に等しいからです。

多くの者が悟り(理)を目指すのは現在のただの人間からその上の領域に進化したいからであり、それが叶った者がどうしてかつての人間だった頃と今の自分を同じ領域と見れるでしょうか。

これはいわゆる今の自分の理を否定する感覚でもあり、もしもそれを行えば自分の理にヒビを入れることになります。このため全力を出すことはできないのです。

Fateの英雄王の言葉に「慢心せずしてなにが王か」というセリフがありますが、これが自分の中ではしっくりと来ています。

自身を特別と理解している存在が、見知らぬただの人間相手にどうして全力が出せるのでしょうか。それは文字通り特別だと思っている自分への否定につながり、それが結果自身の根幹に取り返しのつかない傷跡を刻むことになるはずです。

こうした理由からエスペセイバーのメモリーオブイシュタルの神であったイシュタルが最後まで傲慢のまま手を抜いて主人公達と対していたのも彼が「理持ち」であったためにそれは必然であったのです。

仮にどんなに強大な人間であったとしてもそれが人間である限り、理持ちは同種以外には全力は出せません。出せば自分の理に傷が入るからです。

 

・ティオンではヴェイゼアには勝てない

こちらはいわゆる隠し設定で、本編では特に公言していませんでしたが、実は自分の中ではティオンはどうやってもヴェイゼアには勝てないという設定でした。

それはあの戦いそのものだけでなく、実は当初考えていた第三ルートでもティオンとヴェイゼアが戦うシーンがあったのですが、そこでもティオンはヴェイゼアには勝てません。

これは単純な相性や資質や才能以上に、魂自体がそういう仕組みに絡んでると言ってもいいくらいです。

無論、ティオン編のラストまで成長したティオンならヴェイゼアに勝てる可能性はあります、がそこへ成長するまでに必ず両者はぶつかるようになっています。(ぶつからない場合はどちらか一方が退場し出会わないまま終わるパターンです)

世界樹の理2

というわけで前回の続き。

 

エルドラシルが持つ理の大体の能力は説明しましたので、今度は戦闘面に関してのお話しをします。

というわけで前にどこかで出したような気もしますが、こちらがアルトサウディウスの初恋相手でもあるエルドラシルのイラストです。

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通常、理持ちというのはほとんどが強大な力をもった人物です。というのも彼らはいわゆる人の領分を逸脱した神たる存在なので、最下階位の理持ちでも異常な強さなわけですが、中には例外的な存在もいます。

それがエルドラシルであり、彼女自身の力は一般的な理持ちよりもはるかに脆弱です。特に彼女の階位は第三階位、これは理の階位で言えばかなりの上位に位置します。しかし、この階位が表しているのは彼女の戦闘能力ではなく、「永劫」の理の優秀さです。前回の記事でも言ったように世界機構や不老不死性としては理の中でもかぎりなく上位の能力ゆえの階位付けです。

彼女自身の戦闘能力は見た目相応の少女のものです。とは言え、仮にも理持ちではあるのでただの人間や武器などでは傷を負わせることは不可能です。

最低でも同じ理持ちでもない限り彼女に傷を負わせることは不可能です。

で、肝心の彼女が戦闘能力0のため、もしも同種(理持ち)の敵に攻撃をされた場合、なすすべもなくやられてしまうので、そうした彼女と彼女の世界を守るためにユグドラシル・ロゴスが生み出した防衛システムが「ネロ・システム」

これが戦えないエルドラシルの代わりに、理持ちに匹敵する戦闘兵器として生み出された獣(システム)達です。

ケルベロスレヴィアタン・ククルカン・フェニックス・ベヒモス・バハムート・ジズ・そしてウロボロスの八体。

これら八体の獣はそれぞれが理における十二~九階位までの下位理並の戦闘能力を持っています。中には六・七階位と言ったひとりで世界を滅ぼせるほどの力を持った獣もいます。

このうち、ケルベロスレヴィアタン・ククルカン・フェニックスは春の剣聖で登場しましたが、残りのベヒモス・バハムート・ジズ・そしてウロボロスは未登場でした。

というのも実はこれらも続編のプリマヴェーラで出そうかと思っていましたが、没ったので、ここでネタばらし。

まず、最初にエルドラシルの世界を管理するべく任されたのが、ベヒモスを筆頭としたバハムート・ジズの三人の獣でした。

このうち、ベヒモスは全獣システムの中でも最強の戦闘能力で階位で言えば五・六とまさにエルドラシルが持たなかった戦闘能力をそのまま代わりに引き継いだ感じです。

この時、ベヒモス・バハムート・ジズの三人は他の獣システムよりも特殊なシステムであったために人間を器として、まさに守護者のように世界に存在しておりました。

本人たちは普段は人間そのもので、自分たちが獣システムを宿しているのも知りません。ただ、世界になんらかの異常や、外敵からの攻撃を受けた際、彼らの中にあった獣システムが起動し、世界防衛システムとして覚醒して、その異常の原因・外敵の排除に取り掛かります。(このうち、フェニックスなどもこれにあたり、フレイやルフォードなどに獣システムが宿っていたのも、これと同じ理屈です)

剣聖システムが獣システムを元にしていると言われているのはまさにそのとおりだからです。本来は、この獣システムが剣聖システムを兼ねたシステムだったのですが、後のある出来事により、獣システムに変わるシステムとして剣聖が生まれることとなります。

それが神王の来訪。彼はこの世界に降り立った瞬間にすぐさまこの世界のシステムに気づきます。

彼の理は「統治」。世界や人々、あるいはそこにある理すら支配し統治するのが彼の目的であり感情そのものでもあるので、それ以外の行為など行うはずはありません。

なので、彼が行う「統治」に関して、最も邪魔だと感じたのがこの「獣システム」です。

この獣システムさえ破壊してしまえば、あとは戦闘能力皆無な世界システムを永劫に続けてくれる機械として優秀なエルドラシルが残るのみです。

このため、彼が真っ先に考えたのは防衛システムである「獣システム」の破壊と抹消。

中でも一番厄介だったのは、現在世界を守護している三獣の筆頭であるベヒモス。

クレイムディアの理の階位は第六階位であり、ベヒモスと同じか下手したらベヒモスが上です。

このため真っ向から戦おうものなら逆にやられます。なにしろ数においても相手が優っているのですから。

そこでクレイムディアが考えたのが自分の理の特性、すなわち「統治」による現在の三獣たちの「逆支配」でした。

エルドラシルの「永劫」も特殊な理でしたが、クレイムディアがもつ「統治」の理もかなり特殊な理です。その名が示す通り彼の理の能力はあらゆる存在を統治すること。

それはまさに絶対不変のカリスマによる従僕と永劫の誓いにも等しいです。これは同じ理持ちにおいても発揮され、対象がよほど上位の理か、その理の意思を強く持たねば飲み込まれるほどです。

そして、獣システムがまだ“神王が外敵として認識していない”状態の際に、三人の獣システムを宿す人間はこのクレイムディアの洗礼をモロに浴びます。

具体的に言えば、自分の血肉を分けてその理の力を与えるほど。

これによりその三人の獣システムを宿した人物たちは、神王の眷属でありながら獣システムの力を宿し、文字通り理持ちに匹敵する存在として生まれ変わります。

これがいわゆる「三王(三柱神)」の誕生でした。

(ご存知の方もいるかとは思いますが、ベヒモスは大地の獣、バハムートは海の怪物、ジズは空の怪物と言われ三頭一対とされています。ここではその設定を踏まえて、それぞれベヒモスが地王、バハムートが海王、そしてジズが空王となります)

この後、三王を従えた神王は本格的な世界の統治に乗り出し、ここに来て世界システムはようやく神王が自分たちの世界を乗っ取ろうとしている“外敵”であると認識し、残る獣システムをすぐさま起動させます。

この時、生み出されたのは人間の器を持たないシステムの塊である“獣”の化身であったため、彼らには話し合いどころかクレイムディアの統治も効きません。これは世界システムによるクレイムディアが持つ統治に対する対抗処置でもありました。

(春剣中、本来の姿に戻ったレイドが人間としての人格を全く持たず、文字通り獣めいていたのも、実はこれが理由です。下手に人間的な感情を持ってしまえば統治の支配下になるため、ああした形でレイドは生まれたわけです)

しかし、時すでに遅く、ベヒモス(エルドラード)・バハムート(ノア)・ジズ(エデン)と言った強力な眷属を引き連れた神王にはもはや残った獣システムでは歯が立ちません。

というよりもエルドラードの力がここに来てチートになってしまったからです。ただでさえエルドラシルのシステムの中でも最強の獣システムだったのが、神王の洗礼でさらに強くなって統治されているのですから、もうどうにもなりません。この時点で理の階位で言うなら上位二~四くらいになってます。

このため、ケルベロスレヴィアタン・フェニックス・ウロボロスは完全に破壊されてしまいます。

しかもこの時、クレイムディアが統治の能力によりエルドラシルのシステムに侵入して未来において獣システムが完全に再生しないように細工を施してしまいます。

これにより本来は長い時間をかければ未来において、また再び獣システムが完全な形として復活するはずがもうできなくなり、できたとしてもそれは不完全なシステムとして人の中に再現する形となりました。

(これがいわゆるルフォードやフレイなどと言った人物に宿った獣システムの正体です。実は彼らのあれもオリジナルでありながら、本来の獣システムのかなりの劣化姿だったのです。本来であれば剣聖最終段階並に強力な力を発揮できたのですが、それをされるとクレイムディアの統治にヒビが入ると思い、彼がこうしたのです。結果としてクレイムディアが死亡したあと、世界を防衛するはずの強大なシステムが不完全の壊れたままの放置となり、これがヴァイスの指摘する神が犯した最初の過ちとなります)

この時、唯一生き残ったのがククルカンであり、彼だけは死の寸前に姿を消し、その機能が万全に回復するために身を隠します。

つまり、エスペ無印で唯一生き残っていた本来の正しい形としての獣システムがレイドだけだったのです。しかし、その後、機能を取り戻したレイドはフォルクスの強大な力を感じ取り世界の敵として認識して排除にしかかろうとしますが、逆にフォルクスから獣システムの一部を破壊され、獣として不完全な状態となり、その後は春剣の本編へとつながっていきます。

さて、その後、全ての獣を退け、三王を支配下においたクレイムディアは統治を磐石にしようと自分の後継者を求めるようになります。

クレイムディア自身は優秀な理持ちですが、彼は残念ながら不老不死ではなく、いつかは理の寿命が来て死にます。このためできるなら自分と同じ理を宿す者を産ませようとしたのですが、生まれてきたのは彼を遥かに上回る「欲望」の神アルトサウディウス。

その後、どうなったかはエスペ無印の伝承の通りです。

この後、残ったエルドラードもアルトサウディウスと相打ちとなり、空王・海王も時代の流れと共に静かに表舞台から消えます。

ただこれらを記録として観察したユグドラシルロゴスはアルトサウディウスというある意味、神王よりも強大な驚異を認識します。

しかも、それを自分の中に取り込んだために未来においても発祥してしまいます。

本来なら獣システムでそれをどうにかするはずが、神王の勝手なアクセスや破壊のせいでそれができなくなりました。

そこで世界システムが考えたのが「そうだ、なら新しい防衛システムを作ろう」でした。

そうして生まれたのが獣システムをもとにした新たな防衛システム「剣聖」です。

以上がエルドラシルの理の全てであり、神王が犯した大きな間違いでもありました。

何度も言いますが、神王は神としては優秀ですが、人としての人格はマジで最低です。

 

最後に、春剣中にガルムが語ったウロボロスという名の獣システム。本編中ガルムはこれを架空の獣と言いましたが、それはオシリスと同様にその存在が明確に確認されなかったためです。というのも他のケルベロスやフェニックスは不完全ながらも未来において人の中で宿されたにもかかわらず、このウロボロスだけは神話時代に破壊されて以降、一度も再生されていないためです。

それはウロボロスだけが念入りに破壊されたこともありますが、このシステムを宿せる人間が生まれなかったためでもあり、春剣の続編ではこれを始めて宿した人物を登場させる予定でしたが、まあ、これに関してもいつかどこかで登場させたいです。

 

世界樹の理1

エスペランサーセイバーにおいて重要な用語であり、存在「理」について。

前にどこかで言ったような気もしますがエスペ世界では「理」とはすなわち「神」を意味します。

 

「理」とはその単一の感情・あるいは目的を突き詰めて、悟りに至った者達が得る領域。

つまり「剣」という事象を極めようと、自分の人生や命、全てを通してそれのみを行い、それを突き詰め、その「剣」という事象における人の魂の領域を超えて悟りに至れば、その人物は「剣」という理を宿し、人神と呼ばれる神になります。

 

このため、同じ理持ちの神と言っても、その人物によって宿している「理」が違うため、強さや感情、考え方はおろか、人への影響から自身の寿命、己の理による特殊能力など様々に異なります。それこそ星の数ほど。

この辺はエスペセイバーのリプレイ「世界を繋げる者」編で、ガディムとなったヴァーミリオンに対するセリフでも言っていますね。

エスペセイバーにおける神と呼ばれる人物の多くが、このように様々な理を持ってそれに従っています。

もちろん、エスペランサー無印にも、こうした理を持った神は存在しました。

というよりも世界があるということは、それを生み出した神=理持ちがいると考えてOKです。

 

まずエスペランサーの世界であるエル=ユーナ。世界樹に支えられたこの世界を生み出したのがエルドラシル。彼女は第三階位「永劫」の理を持つ神です。

彼女の場合、生まれた瞬間からこの「永劫」の理を持って世界を創世しました。

理を持つ人物には大きく分けて二種類。先天的に理を持って生まれる者と、あとから自ら理を会得して神となる者の二種類があります。

エル=ユーナにおける理持ちはほぼ前者です。

ちなみにエルドラシルの理の能力とは自己の世界をその理のとおり、永劫に続ける能力。これは数ある理の中でも最も不老不死と呼ばれる能力に近いです。

どのような強大な神(理持ち)であろうとも、寿命は存在します。

ですが、エルドラシルは他からの干渉を受けない限り、彼女だけでなく、彼女が生み出した世界も未来永劫に続いていきます。

それがエルドラシルが生み出した世界システム世界樹の理(ユグドラシルロゴス)」の能力です。

この辺はエスペセイバーのクレイムディアとイシュタルの会話で言っていましたが、たとえば、エルドラシルを除く世界の全てが滅び、人間も大陸も大地も全てが消滅したとします。それでも数百年も放っておけば、世界は自動的に再生され、人間や大陸も以前と同じ状態で再構成されます。

これはほかの理にはない能力と言っても過言ではありません。エルドラシルが健在なら、彼女が生み出した「世界樹の理」の力によって、そこに記録として保存された世界や人間のデータをそのまま再構成できるのです。

ただ勿論欠点も存在します。それがイシュタルやクレイムディア、そしてヴァイス、ガルムすらも指摘した「過去に記録された悪行もそのまま再生してしまう」という点。

エルドラシルの世界再生能力は他のどんな理の神よりも優秀です。普通はなくなった世界をそのまま再生させるのはかなり不可能に近いのに、エルドラシルはそれを寸分違えずできます。しかし、寸分違えず出来てしまうからこそ、エルドラシルの世界では原罪がそのまま未来においても再現されてしまうのです。

これについてはイシュタルとクレイムディアとの会話でも出ていました。エルドラシルの世界で死した者はそのままエルドラシルの理に記録という形で閉じ込められ、それをそのまま未来において再構成されてしまうのです。

そのため、魔王アルトサウディウスが死しても、彼の持った能力、魔王の呪いがずっと人々の中で発症したのもそのためです。

エルドラシルの理はそうした災いすらも再現してしまう。マクスウェルのレプリカと言った概念が容易に起きているのも、こうしたエルドラシルの理の世界ゆえに起こりやすくなっているとも言えます。

なので、今更ですがヴァイスがやろうとしていたのは、こうしたエルドラシルの理に深く癒着していたあらゆる汚れを一旦取り除こうとしていたことなのです。

彼は別に世界そのものを破壊したかったのではなく、世界を白く染め上げる、つまりこうした「世界樹の理」のデータ内に記録された魔王の呪いだとか、人の原罪だとかそうしたものを全部消去しようとしていたのです。

パソコンでいうところの初期化です。

なので、もしもヴァイスのこの計画が成功していれば、一度世界や人々も全部消えてリセットされますが、「世界樹の理」の中に記録された魔王のデータだとか、呪いだとか、そうした負の情報も全部消えます。

その後は、「世界樹の理」の能力によって再び世界や人々は再生されますが、もうその世界では今後一切、魔王の呪いや魔族と言った争いの元凶とも呼べるものは一切なくなります。

また世界で最初に争いを起こしたとされる魔王や神王達のデータも消されているので、基本的にその世界では戦争とかも起きません。(ただし、誰かが意図して戦争を起こそうとすれば別ですが。滅多なことではそうした“考え方そのものが”人の意識には発生しません)

たまにリセットされたその世界でも争いや欲望が起きるんじゃ?と思われる方もいますが断言すると起きません。

もともとエル=ユーナがそのような争いの歴史になったのが神王を始めとする魔王などが「争いの記憶」を世界に残したためです。

こいつらは人ではなく神(理持ち)。それも外部からやってきた連中が勝手に世界にそうした記録を刻んでいるのですから、エルドラシルからしたらいい迷惑です。

というよりも本来、エルドラシルの世界では自然や動物、美しい平穏な世界のみが永劫に広がる世界でした。つまり永劫の楽園のみの世界。それがエルドラシルの本来の世界(理)なのです。

もともとこの世界には人間はいなかったのです。

そこに勝手にル=ヴァルとかいうやつが人間を移住させて、住まわせたのです。

エルドラシルからしたら自分が作った理想の楽園に、なんか人というよく分からない生命が住み着いたんだけど?という感じです。手つかずの星に勝手に移住してきたエイリアンかな?

しかも、そいつらエルドラシルの血肉である世界を消費しながら生きているので普通なら「なに人様の楽園に勝手人間住まわせてんじゃー!?」とブチ切れるでしょうが、エルドラシルはそうはなりません。

むしろ、これも作中で言ってますが彼女自身は人間が来てくれたことを喜んでいます。仮に彼らによって自分の世界(理)を消費されたとして、彼らが自分の作った楽園で楽しそうに暮らしてくれるなら、とても嬉しいのです。

たとえるなら、とっても素敵なジオラマを作ったけれど、そこにお人形さんはなく形の良いジオラマがあるだけ。

けれど、ある日そこに知らない妖精さんがたくさん住んでて「このジオラマすごく住心地いいねー^^」と喜んでいるのを見ている感じ。

人によっては「何勝手に住んでるんじゃー!!」と怒る人もいるけれど、人によっては「わー!私の作ったジオラマ妖精さんが住んで喜んでるー!嬉しいー!もっと頑張るー!」ってなるやつです。

で、まあここまでは良かったのですが問題はこの後に来た神王クレイムディアと魔王アルトサウディウスが残したクソみたいな傷跡ですよ。

クレイムディアは自身の『統治』の理でエルドラシルの理を勝手に改変したりいじったりして、完璧だった世界システムに歪みを生み出したり、アルトサウディウスにいたっては『魔王の呪い』を始めとするクソみたいな呪いが世界に感染して、その後その世界に住む人間達にも発症するようになりました。

エルドラシルからしたら発狂ものですよ。

せっかく自分の楽園で楽しく暮らしていた妖精さん達がいきなり変な呪いにかかったり、争い始めるんだから。しかも、それらが『永劫』の理にこびりついたので、未来においてもそれらがずっと繰り返し発症されるのです。そりゃヴァイスもキレるわ。

あとこれもコメントで書いてましたが、そもそもクレイムディアの『統治』の理が干渉者の力を生み出した原因なので、そうしたクレイムディアやアルトサウディウスの痕跡が消えれば、当然のように後の世界においても干渉者や世界システムに干渉に出来る者も出てきません(というか本来、世界システムに干渉できるやつがいること自体がおかしいのです)

また当たり前のことですが、リセットされた世界ではマクスウェルとかいうクソも生まれません。

というか今考えたらアルトサウディウスも魔王の呪いや争いなど、色々と厄介なものを残しましたが、干渉者やマクスウェルが生まれる原因を作ったクレイムディアが諸悪の元凶だな…。やっぱこいつ最低だよ。

まあ、なのでリセットされた世界では本来の楽園としての機能を取り戻したエルドラシルの世界で、そこに移住した人間達が日々穏やかに暮らします。

本当なら、人間達も後からやってきた"外部者”なので人間を全部消し去るのが『本来のエルドラシルの理想世界』なのですが、それはヴァイスもやりません。

母のことを考えるなら、母の世界に寄生する人間も全て浄化するべきですが、これも何度か言っているようにヴァイスも本来は人間がとても好きなので彼らが穏やかに暮らせる世界が一番だと考えています。これも母エルドラシルと同じ考えですね。

なので結局のところヴァイスの行動は全て『人間を救う』ということに一貫しています。

(まあ春剣中では性格悪いんで、好かれる要素ないんですけどね)

ちなみに魔王であるヴァールやフォルクスなどの魂も人間と同じように『魂の海』にそのデータが保管されているので、彼らも人間として転生されます。これが良くも悪くもエルドラシルの『永劫』の理とも言えます。

消えるのはあくまでも魔王や魔王の呪いと言った負の概念のみ。

だから、百年経っても千年経ってもそこに映る世界は良くも悪くも変わらない世界です。

ただし結局はこの後、星王イシュタルによる侵攻があり(星の伝承記)世界はエスペランサーセイバーの歴史に突入しますが、まあそれまではとても穏やかな日々を世界を過ごせるでしょう。

 

思ったよりもエルドラシルの理そのもので長い説明になってしまいました…。

といっても、まだエルドラシルの理自体も全部説明できてないのですが(汗)

(主に戦闘能力に値する防衛システム「ネロシステム」とか…)

まあ、続きはまた次回ということで。

没企画・エスペランサープリマヴェーラ初期案

ここでは没企画の話などもちょろちょろっと。

 

当初、春の剣聖プリマヴェーラ編は、春の剣聖本編が終わったあとの後日談の話になる予定でした。

Fateで言うところのホロウアタラクシアみたいな?

 

そのための伏線要素を実はいくつか春の剣聖のティオン編で入れておいたのですが、まあ、もうこれ使う機会もなさそうなので、供養を含めてここで書いておきます。

 

・なぜティオンとルティは剣聖の力を失う必要があったのか

ティオン編のラストで二人が剣聖の力を失ったのは、実はそれをしなければプリマヴェーラ編でのラスボス(黒幕)に勝てないからです。

プリマヴェーラのラスボスは■■■■■■■のレプリカ。マクスウェルの第五被検体、コードネーム“赤の干渉者”ロート。

彼が揺り篭に存在するユグドラシルロゴスを手中に収めることにより、ヴァイスやシェイドをも凌ぐ最強の干渉者として君臨。

これによって世界システムを宿す人物ではこのロートに勝つことはできなくなってしまいます。

このため、もしもティオンやルティが剣聖システムを宿したままロートに挑んだとしても、逆に力を支配され身動きできないままやられます。

なので、彼を倒すには世界システムを一切持たず、あくまでも人としての力を極限まで鍛え抜いた人物でないと倒せないのです。

だからこそ、ティオン編後のルティとティオンでなければ対抗できないのです。

ちなみに、ルティに関してはルティ編で一度力を失った際、会得した必殺連撃がルティの新しいオーバードライブ技となり、ティオンは涅槃寂静剣がオーバードライブとなる予定でした。

ちなみにラスト戦闘ではルティ・ティオンに加えて、ヴァイス・シェイドも仲間になり、剣聖ふたり+干渉者ふたりの四人パーティで負ける気がしないぜのラスト戦闘とか妄想しておりました。完。

 

オシリスに残された謎

もうひとつ、ティオン編でのオシリスがルティ編で覚えた「回帰する楽園の法則」を覚えなかった理由。これもプリマヴェーラで明かされる予定でした。

というのも、世界システムを掌握したロートによって、新たにアークのレプリカが生み出され、オシリスは彼と対峙することにより、かつてのトラウマや、彼が「英雄」としてしか見ていなかったアークの「本当は誰よりも弱かった人間性」を知り成長していく物語を描く予定だったからです。

ちなみに、物語が始まる前に、すでにオシリスはアーク(レプリカ)と対峙し、その時の戦いでオシリスも自身の中にあった空王の力や世界システムに干渉出来る力を奪われ、子供の姿に弱体化してからのスタートという予定でした。

なので、物語の途中にティオンやルティ達が出会うオシリスの姿というのはクリス(子供状態)であり、その後、オシリスが再びアークとの戦いで自分の力を取り戻した際に、大人モード・子供モードと両方入れ替え可能になるシステムにする予定でした(ソーニャみたいな)

ちなみにこの辺のオシリスとアークの関係性はいつかどこかで、きちんと書きたいな~とは思っています。

ぶっちゃけオシリスが見ていたアークというのは虚像に過ぎず、オシリスはそれを盲信していただけ。本当のアークの心を見ようとはしていなかった。

藍染さんじゃないですが、憧れは理解から最も遠い感情という言葉通り、オシリスは結局アークという人物をなにひとつ知らずにいたのです。

 

・ラズの死

多分、これが一番やりたかったこと。プリマヴェーラ編ではラズは敵として登場する予定でした。

そしてティオンとの師弟対決をさせる予定でした。ティオンがラズの後を継ぎ、闇の狩人となったのも、このシチュエーションを実現させるため。

ラズの復活に対して、ティオンは干渉者による死者蘇生(フレイなどのパターン)を考えますが、実は違います。

このラズはラズであってラズではない。ラズのレプリカです。

ただ性格や言動、外見など全てがそのままですが、当然ティオンとの記憶などはないのでラズ側には手加減する理由などは全くありません。

が、ここはいわゆるミュウなどと同じように、最初は空虚であっても、熱を持った信念を持った人物と対峙する内に、自分の中に眠るオリジナルの感情などを感じるようになります。

最終的にはレプリカラズは自分自身としての生き方を望むようになり、ティオンに対しても「ラズの代わりではなくひとりの戦士として向き合って欲しい」と望むようになります。

ここでティオンの中に最後に残っていたラズに対する後悔の念をティオンはようやく克服できるようになります。

ラズさんはもういない。だから目の前の貴方(ラズ)とは対等の立場で新しく関係を築こうと。

二人は戦いを経て、師弟ではなく、お互いが初めての人物として、初めての友として理解し、絆を結ぶ展開を考えていました。

(ティオンが師への後悔の気持ちを乗り越え、初めての友を得るイベントとして)

 

あとはヴァイス関係のイベントなども色々と考えていましたが、さすがに文字数が多くなってきたので、このへんで。

気が向いたら、また没ネタだとか、エスペの設定だとか語ります。

エスペランサーからエスペランサーセイバーまで

自作TRPGの「エスペランサー」および「エスペランサーセイバー」

http://esuperansa.husuma.com/

 

もともとは友人たちと楽しむ為に作ったTRPG。昔からTRPGが好きだったので独自のTRPGや世界観を作りたくて作ったゲーム。

エスペランサーの物語は主にエル=ユーナという世界樹の上に存在する世界で巻き起こる物語。

希望の軌跡編という物語で完結する予定です。

 

その後、希望の軌跡編を経ておよそ1000年後くらいにエスペランサーセイバーの世界観に突入。

いわゆる星王の侵略。第一次星蝕大戦。

わりと間違えられているのが「確定されし滅亡」がこの星王のことではないかと言われてますが。違います。

「確定されし滅亡」は希望の軌跡編です。そこに登場する太陽の神帝です。

なので、エスペランサーセイバーはあくまでも希望の軌跡編で「確定されし滅亡」を乗り越えたあとに起こる物語。

 

まあ、グレストも確定されし滅亡乗り越えても、まだまだ世界滅亡の危機来てんじゃんとかげんなりしそうですが、この作者はパワーゲーム大好きなので、むしろセイバーの世界観の方が本当はやりたいこと満載なのです。

マジでとっとと希望の軌跡編出して終わらせたい

 

エスペランサーセイバーは主に二つの時代で分けられます。

それが「星王編」と「新世界歴」

星王編というのが現在、エスペランサーセイバーのリプレイであっている「星の伝承記」の物語。

これは星王の支配と、そこから解放されるまでの物語。

現在掲載されているのが、星の伝承記1章・2章・メモリーオブイシュタル・世界をつなげる者。これらは一応全部つながってます。全部でひとつの作品なので「星王編」とまとめておきます。

一応、次の星の伝承記3章でこの物語は完結します。

 

で、星の伝承記による「星王編」が終了してから300年後の世界が「新世界歴」

この新世界歴での物語が実は一番やりたい話でもあります。

カグヤ恋記なども、この新世界歴での物語になります。

エスペランサーセイバーのモチーフというかテーマが、様々な世界の統合。なのでいろんな世界観を持った世界や大陸があって、それぞれが独自の物語を展開しながら、いずれは一つにつながっていくというのがテーマなのです。

「カナン大陸(和風・日本神話・琉球神話ベース)」「ベルシェルス大陸(洋風・黙示録神話・ティマイオス神話系)」「東源郷(封神演義水滸伝三国志・中国神話)」「サハラ大陸(ヴェーダ系)」などなど、いろんな神話や逸話をその場所や大陸、世界によってモチーフにして展開したい。

物語もその大陸や世界ごとに色々あるので、どうやって掲載していくか悩みますが、いつかは全部出したいな~と思っております。

個人的には東源郷の世界などがお気に入りなので、これはいつか形にしたいところ。

 

そうそう、三国志ツクール買って、エスペランサー無印・エスペランサーセイバーに登場する敵味方全勢力を交えた三国志ゲー作っているのですよ(FateGoの影響)

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超自己満で楽しいです。完成したら、こっそりここで配布しようかしら。

このブログについて

管理人のオリジナルTRPGエスペランサー」「エスペランサーセイバー」について、色々とつらつら書いていく趣味のブログ。

 

ぶっちゃけ自分の世界観の好き勝手なことしか書いてません。興味のない方や、わけの分からない方はぶっちゃけ今すぐ退避やスルーを。