エスペ戯言6

・マクスウェルの衰退

マクスウェルの結成についてはかなり昔、神話の時代から始まっております。

で、そこから今に至るまで様々な被験体が生まれたわけですが

とりわけ1~10までの初期の被験体が非常に強力となっています。

ふつうこういうのは後期になれば性能が上がるはずなのに、なぜ初期型のほうが強いのか?無論、これにはちゃんと理由があります。

理由はこれら初期シリーズの10体には第0被験体から得たオリジナルのデータがあるからです。

まず、創始者であるガルムが魔王の妹であるシスターリリスを手に入れます。ここから彼の欲望が本格始動したと言っていいです。

シスターリリスはその全身に神祖の魔王アルトサウディウスの血と肉と呪いを受けています。しかも、彼女自身はそれらを完全に取り込むために仮死状態となり休眠中です。

いわば彼女にはオリジナルの魔王の血肉は勿論、呪いもたんまりあります。

更にアルトサウディウスは神王クレイムディアの息子なわけですから間接的に神王の血肉も受け継ぎ、神王が持っていた干渉者の力もあるわけです。

まあ、そんなこんなでマクスウェルは最初からオリジナルの魔王の力そのものを手に入れていたので、そこから生まれるレプリカとかも限りなくオリジナルに近いものだったのです。

その証拠に、彼女をベースに生まれたのが第1被験体のアバドーン。

アバドーンが生まれる元となった魔王の血肉や呪いは、このシスターリリスから剥ぎ取ったやつがベースですね。まあ基本はアルトサウディウスのレプリカと言っていいですが、こう考えるとシスターリリスアバドーンの母親とも言えなくもないですね。

これも前にどこかで言ったと思いますがもしアバドーンとシスターリリスが出会ったら、シスターリリスアバドーンを弟としてとても可愛がると思います。

閑話休題

続くその後も手元にあるシスターリリスを研究しながら、この世界にある他の力を色々再現していったのです。

しかも幸いなことにフォルクスとアークの戦いなどがあり、後からそこを訪れたマクスウェルの研究者がフォルクスの血を採取したりなんだり。

ところが第9と第10被験体を生み出した頃、「そろそろ俺たちでもこのシスターリリス起こしていいんじゃね?」と調子に乗り始めます。

あ、ちなみにもうこの頃になるとガルムさんは飽きてマクスウェルから出ていってます。まあ、それが原因で研究者達が創始者なしで手っ取り早く力を得ようとしたのですが。

で、まあ、結果シスターリリスが暴走して研究所が破壊。

それまでの重要なデータも消し飛んで、彼らはシスターリリスを疑似隔絶空間に封印。

これによってシスターリリスを元にしたいろんな研究や被験体が生まれなくなりました。

しかも、そこで更に当時の第9、第10被験体の反乱。彼らによってそれまでの被験体のデータを破壊されて、もう再現が不可能になります。

なので、これ以後の第11被験体は彼らが自力でレプリカを再現するようになったので性能がガタ落ちになったのです。

ですので、それ以後の被験体はむしろかつての1~10までの被験体の性能に戻すように、それを目標として創生していった節があります。

ちなみに第21被験体でオリジナルの獣システムを持つ人物を捕らえて、そいつを被験体として研究できたのが大きかったです。これは第0被験体以降、初めてオリジナルのシステムを手に入れたので、これによって研究成果が神話時代のものに戻ったと言っていいです。

なので、その次の第22被験体でマクスウェルの念願が叶ったという感じですね。

 

・確定されし滅亡

今見たら確定されし滅亡は二人の人物の手により起こるって書いてありますね…。

てっきり伏せてたつもりが普通に書いてたわ。

やってしまったなー。これ希望の軌跡編とかで「確定されし滅亡が一人の手によって起きると思っていたのか?確定されし滅亡は二人いるのだよ」「な、ナンダッテー!?」って展開するつもりだったのに。

まあ、別にいいか。たまにこういうさらりと重要なことを私は用語辞典に書いてたりするので今更ですね。

そもそも確定されし滅亡自体もネタバレな気も

 

・5つのシステム

エル=ユーナの各五大大陸に施された世界システム

これらはそのまま世界を支えるシステムであり、世界を循環・維持するのに必要なシステム。

というわけでそんな重要な世界システム稼働ポイントを自分メモも兼ねて、改めて紹介。

春の大陸エルフェナにある『再生』を司る漆黒の天宮。

争いの大陸ローにある『破壊』を司る粛清の業火。

雪の大陸フォブリナにある『隔絶』を司る白の聖域。

熱砂の大陸ムーヴェリアスにある『循環』を司る約束の地。

聖地アルアデックにある『隔離』を司る覇王の聖殿。

今更ですけど、隔絶と隔離がなんか似てますね。これ変えればよかったなー。でも、それっぽい単語があんまりうかばないんだよなぁ……今変えるとするならなんだろう……?

アルアデックのは……浮遊?いや全然ピンとこない……。遮断……もちょっと違うしなぁ。

まあ、いいや。

とりあえず一つずつ説明すると、春の大陸エルフェナにある『再生』はその名の通りあらゆる生命、大陸、世界そのものを再生させる重要なポイントとなります。

春剣中では、ここでルティが蘇生し完全復活していました。上記の通り、消滅した大陸すら再生させるほどの世界システムなので滅びの疵受けて瀕死の剣聖なんか、そりゃ復活できて当然ですね。

で、これがあるからヴァイスは一体世界をリセットしても、大陸含めそこにいた人類も再生復活するから計画を進めたわけです。ある意味、5つの世界システムの中でこれが一番重要と言えます。なにしろこれさえあれば実質世界は不老不死みたいなものですからね。

ただこれはあくまでエルドラシルが生み出した世界に限ります。以前にも言ったように本来、この世界に来た人間はよそ者です。その彼らが再生するにはこのポイントとは別のポイントの力が必要です。

それが熱砂の大陸にある『循環』を司る約束の地。正確にはその約束の地の奥にある『魂の海』と呼ばれるものがそれにあたります。

これは現世で死した魂がここに還り、それを新しい魂として利用する循環のシステムです。

これがあるためにたとえ、死して人は新しい命として生まれ変わります。生まれ変わる肉体を『再生』が作り、そこに魂の海から運ばれた『魂』が入り人間が生まれるわけですね。

で、この完璧すぎるシステムに問題がありました。これは後にエスペセイバーでも言及されていますが、この海に落ちた魂はいかなる魂であろうとその海と交わり、循環のシステムとして利用されます。

なので、たとえばそこに神祖の魔王のような純粋悪の魂が落ちれば、たちまちその悪の魂や呪いは魂の海と交わり融合します。Fateで言う第三次聖杯戦争で無色だった聖杯にこの世全ての悪が混じって汚染されたような状態です。

しかも、この世界に「争い」という原罪を持ちこんだ神王や魔王の魂も落ちてるので人々の魂にもそうした原罪が混じってます。

まあこれが春剣作中でヴァイスやティオンが言っていた原罪ですね。

エスペ世界の原罪は、当然ながら地球の原罪とは違います。地球の原罪は良くも悪くも人間が原因みたいなものがありますが、この世界の原罪は人間は完全に犠牲者側ですから。ぶっちゃけ何もしてません。被害者です。

前にも言ったように本来、この楽園に来た人間は穢れない人類だったので、そのまま楽園の中で穏やかに暮らすはずだったのですが……まあ、全部神王と魔王が悪いよね。

というわけで、原罪に汚染された魂だろうと、魔王の呪いを宿した魂だろうと世界システムは容赦なくそれらを再現するので、これが世界から争いが消えない原因ですね。

ぶっちゃっけヴァイスが一番なんとかしたかったやつ。

ただこの魂の海のシステムそのものは悪くないんですよ。むしろヴァイスも認めているようにこのシステム自体はとても素晴らしいものです。これと再生のシステムさえあれば、世界は永劫に続いて人の魂も途切れることはないんですから。

まあ、この辺の結末はのちのエスペセイバーで片付くので、これくらいにしておきましょう。

続いて東にある『破壊』を司る粛清の業火。再生があれば当然、破壊も必要です。これはいわゆる世界を揺るがす存在を破壊するためのものですね。

本来はまずこの粛清の業火が世界の外敵に対して発動し、それを打ち倒します。それがダメだった場合に獣システムが発動するというのがこの世界の本来の守りでした。

まあ、今はその獣システムがなくなったので代わりに剣聖システムが登場しましたが。

なので、本編中で獣システムに完全に覚醒したレイドを粛清の業火が撃ちましたが、上記の説明の通り獣システム>粛清の業火なので効きませんでしたが。

ぶっちゃっけ歴史上もそれほど活躍の機会もないし、破壊のシステムなら他に獣システムや剣聖システムがあるので、この粛清の業火さんについてはちょっとお気の毒な感じですね……。いやまあ、大陸ふっとばすほどの力あるので普通にすごいシステムなんですが……。

次は北の『隔離』の白の聖域。

ご存知ヴァイスが封印された空間と、春剣中ではフォルクスを閉じ込めました。

作中の活躍を見てわかる通り、フォルクスですら抵抗できずに封印出来るので、かなり優秀なシステムと言えます。ただまあ、フォルクスの破壊の力の前にはさすがに成すすべありませんが、それでもフォルクス級の相手すら一時的に封じられるのはやはり強いです。

まあ、これも破壊と同じようなポイントとなりますが、あえて対象を保管するという意味でも使えますね。もしかしたら他にもいろんな利用法があるので他のポイントと比べると将来性有望かも。

最後に中央の『隔離』を司る覇王の聖殿、というかアルアデックそのもの。

これは春剣で見せた通り、アルアデックそのものを浮遊、世界から隔離することで世界が滅亡するような事態でも、そこにいる生命や大陸そのものは生き残るという感じです。

いわゆる生存のための最終手段。

これによってエスペセイバーでもこのアルアデックのみ残っており、そこから最後の希望が生まれ、新しい世界へと繋がっております。

なのである意味で希望を残すという意味では、5つの中でも一番重要かもしれません。

 

とりあえずそんな感じで語りました。

本当はもっと他に各ポイントの設定とか、語りたい部分とかあったような気もするんですが、今はこんな感じで。

こうやって見るとエルドラシルは本当に有能な神ですね。世界が存続するためにいろんな機能を世界に与えているのですから。

前にも言った通り、戦闘面においてはおそらくエスペ世界でもダントツで下のほうですが、それを補って余りあるほど世界を存続させる能力はピカイチですね。多分全理の中でも一番と言っていいかも。いや、実際理にヒビさえ入らなければ未来永劫に閉じた世界として楽園として存続出来るので、世界として考えれば間違いなく一番の理ですね。

ただその代わり、彼女を含め世界そのものがこのシステムの枠組みに逆らえなくなるわけですが……(魂の海の汚染とか)

まあ、どんな理も一長一短ですね。

エスペ戯言5

・ラズさんの神器発動による寿命の代価について

これ前の日記でも書いていたのですが、わりと勘違いされやすいので改めて言います。

ラズさんは春剣中に何度かアイオーンを使用していました。

そのたびに寿命が減っていたので『アイオーン使用=寿命が減る』と勘違いされてしまいます。

ですが、そうではなくラズさんは神器アイオーンの所有者ではありません。

通常神器の所有者でなければ、その神器の発動は使えません。

しかし、ラズさんは『ロアドゥ族』という地王エルドラード直径の子孫のためにその血に宿った力を使い『自らの寿命を代償にあらゆる神器の発動が可能』となっています。

これ、わりと勘違いされやすいのですが、まあ作中の説明の仕方や印象だと仕方ないと思います。

なのでミレス先輩がアイオーンを使うたびに「大丈夫?寿命減らない?」とか一部のプレイヤーは思ったかもしれませんね……結論から言いますと減りません。

ミレス先輩はアイオーンの所有者に選ばれたのでアイオーンの発動は自由に使えます。なので、やっぱりここらへんが所有者に選ばれた者と特権ですね。

ちなみにこれも前に言った記憶がありますが、ラズさんは上記のロアドゥ族の能力から他のあらゆる神器の発動も自在に出来ます。ただし寿命減りますが。

なのでレイドからファルーア借りて、次元移動や時の超加速も出来ます。寿命減りますが。

 

・ルティ編のレイドの弱体化

これも、もしかしたら勘違いしてる人がいるかもなので言っておきます。

ルティ編で仲間になったレイドは黙示録の獣時の時より弱体化しています。それも結構。

というのも作中でガルムにレプリカの『破壊者』の力で彼の中に残った獣の力が破壊されたためです。

まあ、これも作中でガルムが言ってますが、これのせいでレイドはこれ以後、獣システムの修復もできないほど自身の獣システム破壊されてます。

レイドが仲間になった時、MPがずっと固定なのもこの獣システムが破壊されたという設定のためです。つまりもう成長できないし、修復も出来ないということを表していたのです。

なので、このあとヴァイスとかがレイドの正体に気づいても、レイドを本来の獣システムに戻すことはできません。もっと言うとレイドはこれの影響で人間並みの寿命になり、あまり長生きも出来ない体になります。

なので非常に皮肉なことですが、ルティ編のレイドはシステムとしては本当にボロボロになるのですが、ある意味彼が望んだ『人間』という形に近い状態となりますね。

ということで単純な強さに関してもティオン編のレイド>ルティ編のレイドということになります。

まあ、ティオン編のレイドはわりと悲惨な運命辿ってますが、あれは私の好きな「人に憧れたキャラが結局人に行き着くことなく志半ばで終わる」というシチュエーションまんまですが。

この辺は星の伝承というかメモリーオブイシュタルのエルナトとか、その辺からも来てますね。

多分賛否両論なのでしょうが個人的にはティオン編のレイドの終わり方は気に入ってます。

 

ティートとアルトサウディウスとエルドラシルの関係

次にアルトサウディウスのレプリカでもある滅びの帝王アバドーンことティート。

彼はマクスウェルの被験体ですが、例によってオリジナルの意思や記憶を多少なりとも引き継いだり、それに影響されたりしてます。

ここらへんはミュウさんなどと同じですね。

ただし、ティート君の場合ここらへんの感情がオリジナルであるアルトサウディウスとちょっと違います。

というのもティート君はアルトサウディウスのレプリカであり、ようはティート君にとってアルトサウディウスというのは「父親的な存在」になります。

その「父親」がこがれた相手がエルドラシルであり、そのためティート君にとってはエルドラシルは「母親」的な立ち位置になるのです。

これは彼自身がレプリカという存在で生まれたために親兄弟を持たないから、自分のオリジナルを父に見立てて、エルドラシルに対して感じる感情を「愛」より「家族に向ける愛」「家族への憧れ」という感情に変わったのです。

まあ、これは作中でも彼が言っていましたね。

これがティート君の魂の本質になるので、滅びの帝王として君臨していた時代でもわりと自分の部下や側近を家族として扱ったりしていました。とはいえ、それで満たされることはなく、だからこそエルドラシルを手に入れれば自分は本当の家族を手に入れられて満たされるんじゃ?と思っていたのです。

作中だとティート君はいい魔王のようにも見えますが、実は五大魔王の中でも最も魔王らしい魔王でもあるので、割りと危険ではあります。

というのも言った通り、彼はアルトサウディウスの本能をそのまま引き継いだ魔王なので、世界を滅ぼすという欲望に一番忠実です。だからこそ、頻繁に争いの大陸で戦いを仕掛けたり、魔王としての本分を歴史上でやってます。

ただそれでも人類を絶滅させようとしないのは上記にも語った彼のもう一つの魂の本能である『家族を求める寂しさ』があったため。

誰もいなくなった平野では自分の家族を手に入れられないので人類が滅ぶ一歩手前でいつもやめます。

これがアバドーンの中にある矛盾。人間を家族のように迎えることもあれば、人間を滅ぼそうともするよく分からない魔王。彼自身、自分の心のありようを完全には理解していません。

なので実は五大魔王の中でも一番危険な存在だったりします。作中だと可愛い男の娘ですが、それに騙されたらいけませんよ。

あと見た目に関してなのですがティート君状態だとアルトサウディウスにはそんなに似てません。

ただ最後に全力を出した際のティート君のあの姿はアルトサウディウスに似てます。というよりもあの姿が本来のアバドーンの姿なので、あれこそがアルトサウディウスのレプリカと言っていいです。

なので最後のあのアバドーンの姿を15,6歳くらいの姿にしたものがアルトサウディウスに近いと思っていいです。

ちなみに私の中でのアルトサウディウスの外見年齢は15,6くらいで、これは少年でもなく青年でもない、ちょうどその間くらいの外見という設定にもなります。ちなみに男とも女とも言える中性的な外見という設定。

なのでティート君の男の娘な外見もそんなアルトサウディウスの設定から来ております。もしかしたら小さい頃のアルトサウディウスもティート君のような男の娘な外見だったのかもしれませんね。

 

前に白の日記で色々設定とか語っていたのですが、それらの設定を改めてこちらで書き直そうかしら…。

割と重要なことも言っていたし、自分の中のエスペ設定をまとめるという意味でもやっぱりこうして目に見える場所に書くって大事なんだなと最近思いました。

エスペ戯言4

・ルティ編ティオン編のラスボスの目的

今回は今までとちょっと変わって「ゲーム的な視点からのお話」

ここでの過去の戯言などを見ている方はもう周知の事だと思いますが

ルティ編のラスボスであるティオン、ヴァイス。ティオン編のラスボスであるフォルクス。この三人の目的は同じです。

ようは「確定されし滅亡」を自分たちの手段で乗り越え、世界と人類を未来に繋げること。

細部はちょっと違いますが、おおまかな部分は一致しています。

なので実は両ルートのラスボスの思想ってほぼほぼ同じなんですよ。これはゲームを作っている際、また公開時もその設定は組んでおりました。

では、なぜティオンやヴァイスは作中で明確にそれを喋らなかったのか?

まあ、これは本人達の性格的な部分もあります。ヴァイスに関してはひねくれ者ですからねぇ、素直に伝えたくない部分もあったのでしょう。

神の塔でのヴァイスのあれは「そういう面」もある程度の語りなんですよねぇ。実際、母親に対して思うところもありますが、母親が人類を愛しているのは知っているのでヴァイスは母の遺志を尊重しています。ヴァイス自身も結局は人間が好きなので、そんな彼らの未来が確定で滅亡するなんてことを口にはしたくなかった部分もあるのでしょう。

ティオンもそんなヴァイスの想いを少なからず受け取っていたので「確定されし滅亡」に関してはあくまで匂わす程度で結局真意は胸のうちのまま語らずに終わっています。

で、ここからはゲーム的なメタ要素になると

ぶっちゃっけルティ編でヴァイスとティオンがその目的を言ってしまうと、ティオン編ラストのフォルクスの目的全部言っちゃってるのでネタバレになるので言わせたくなかった。です。

いやー、これがねー。ゲーム作る際の製作者の変なこだわりというか、ゲームならではのデメリットというか。

仮にルティ編でティオンやヴァイスがこのことをぶっちゃっけると、ティオン編のフォルクスの行動も全部「あーはいはい、ヴァイスやティオンの二番煎じねー。知ってたからー」ってなるので言わせたくなかったんですよ。

まあ、これも今思えば今更ですけどね。というか、多分ですけど用語辞典をよーく見て考察してた人なら、なんとなく気づいてましたかね。

まあ、そんなわけでティオン編の最後にフォルクスの口からこれを言わせることで「ああ、もしかしてヴァイスの目的もそういうことだったの?」と繋げたかったのです。

ですが、実は三人の最終的な目的は同じですが、それを達成した未来へのビジョンはまったく違ったりします。

 

・三人の目指す未来

まずヴァイスの目的というか、彼の目的が達成された世界では「確定されし滅亡」は防げて、更に「魔王」や「魔王の呪い」と言った世界に刻まれた汚染の除去。神王が施したシステム改ざんやバグなどを治して、世界を本来あるべき正しい形に戻すこと。

一度世界から人間や世界は全部消えますが、これらは数百年後に大陸は『漆黒の天宮』による再生で復元し、魂は『約束の地』にある『魂の海』により転生されるので今いる人間とまったく同じ数に復元されると考えてOKです。

ルティ編最後のティオンもこれと同じ考えだったので二人の考えと目指す未来は同じです。で、問題はフォルクス。

 

実はフォルクスの実現しようとした未来はヴァイスが目指す未来よりも悲惨になっています。

なぜかというとラストに覇王の聖殿にある『隔離』で聖地アルアデックだけが浮上し、その他の世界は全て滅ぼすという極端な救済だったためです。

で、これが実行された場合人類の9割は消失します。その後はフォルクスが選んだ人類のみが生き残るというものですが、前にどこかで言った通りこのやり方でも「確定されし滅亡」は防げます。が、防げるのはあくまで「確定されし滅亡」のみです。

その他の災厄や世界に刻まれた呪いはそのままです。

なので生き残った1割の人類はその後も世界に再来するであろう「魔王」や「魔王の呪い」と戦い続ける運命にあります。

これも世界システムに刻まれた「争い」という「原罪」がそのまま「魂の海」に刻まれているので、生まれてくる魂(命)達も未来永劫戦い続けるという宿業が刻まれております。

まあ、だからこそフォルクスは「それでも戦い続けられる人間」を最後に選別しようとしたんですが。

こうやって見ると実はフォルクスの方がはるかにスパルタというか、割りと容赦ないです。

「確定されし滅亡」はこれで防いでやるがその後の人類存続は残ったお前たちの力で維持せよ。

ヴァイスに比べると人間に厳しいフォルクスですが、それもそのはず。だって彼はヴァイスほど「人間を愛してはいません」。

ゲーム中だとそうは見えませんが、彼が一貫して認めているのは「信念を持った高潔な人間」のみです。

これは先日のミレスの記事でも語ったようにフォルクスが生かしたいのはあくまでもそうした価値を持った人物だけ。それ以外はわりと容赦なく粛清してます。

これもそのはずでありフォルクスが本来愛しているのは「世界」そのもの。それは現状のエルドラシルが維持する世界ということであり、仮にそれが神王や魔王によって汚染されたものだとしても、今の世界のあるがままを受け入れているのがフォルクスです。

まあ、それを受け入れられないのがヴァイスなので、両者は決して交わらないのですが。

それはともかくフォルクスからしたら、全人類を抹殺して世界を維持するという形をとってもよかったのです。

では、なぜそうしなかったのかというと答えは「アークに頼まれたから」です。

これもラストに呟いていましたが、彼が世界だけでなく人類も活かそうとしたのは親友であるアークにそう頼まれたから。それがなければフォルクスは全人類は殺して世界だけを生かすという選択も全然取ってます。

なので、ぶっちゃっけ言うとフォルクスは人間を愛してはいないのです。

フォルクスが愛していたのは「アーク」というたった一人の人間。その人間への誓いを守るためだけにあの黄昏の戦役を起こして生かすべき人類の選別を行ったということですね。

 

ゲーム中だとフォルクスが人間に甘く、ヴァイスが人間嫌いで人間にぞんざいに扱っているイメージがありますが、実は逆なんですよねぇ。これ。

振り返ってみるとゲーム中でもヴァイスが直接人間を手に掛けるシーンって実はそんなにないんですよね。

ルティ編のルティから剣聖の力を奪ったあれも、あくまで力を奪うのが目的で殺すつもりはありませんでした。

その後、フィナを返り討ちにしたのも襲われる前に先手を打ったという、一種の正当防衛になります。

あとはティオン編で現世に戻ってきた時、マクスウェル幹部に干渉者の力を与えて自爆させたくらいか…?(レイドはシステムなので)

まあ、作中の描写があれなのでやたら外道に見えますが。果たしてゲームクリアした何人がヴァイスの本質に気づけたのか……もっとこの辺、ちゃんと説明したほうがよかったかなぁ?とも思いますが、あんまりこうしたキャラの内面を作中で語るのもあれなので、なかなか難しいですねぇ。

ちなみに作中で人間殺しまくってるのって、大半がグラドやヴェイゼア、ガルムと言った黙示録の獣達ですね。フォルクスもロータルランド公国滅ぼしたり、結構やることやってます。

エスペ戯言3

・ガルムの目的が達成されていたら

もしガルムの目的が達成されて、奴が世界樹の理を手にした場合。

その場合はガルムは神王クレイムディアと同じ至高の干渉者として世界を自在に出来ますが、そうなった世界はどうなるか。

答えは『才能を持つ者がいない世界』になります。

これも多分どこかで言っていたと思いましたが、彼は才能のない凡夫です。彼が現在のような欲望に取り憑かれた原因は嫉妬。つまりは天賦の才能を持つ者がいたから。

だから自分が作る世界ではそんな人物が一切いない世界にする。

ようは『エスペランサー』がいない世界。全員がただの凡人であり凡夫の世界を作る。

これはある意味、神話の時代に彼自身が味わった苦肉の感情に対する世界への意趣返し。

まあ、今となってはその目的もどうでもいいと思っていますが。

で、その世界にした後はもう彼は何もする気はないでしょう。神になったと言っても惰性の果てに目的も果たしたんで、あとは魂の寿命が尽きるまで惰性でその世界を眺めるだけ。

思ったよりもそんなディストピアにはなりません。

ガルムのことだから世界荒廃して、生き残った人類もボロボロな北斗の拳のような世紀末の世界にすると思われますが、そこは彼の人間性を分かっていない者の答え。

ぶっちゃっけ、あいつは世界を掌中に収めてもそこからどうこうする気もありません。というか、もはや起きない。どうでもいい。

じゃあ、上も下もないから、案外いい世界なんじゃないのか?と思われますが、そんなことはありません。この世界になった時点で人類は詰みます。

なぜなら、世界に刻まれた『魔王』や『魔族』、『魔物』や『魔王の呪い』といったものは残っているからです。

これに関してはガルムが至高の干渉者になってもどうにも出来ません。いや、正確にはやろうと思えばどうにかできます。それこそヴァイスと同じように手間ひまかけて世界のリセットすれば。しかし、あいつがそんなことするわけがありません。

目的を果たして、全人類を自分と同じ凡夫にしてそこで終わり。だってあいつはヴァイスと違って人や世界がどうなってもどうでもいいから。

そして、エスペランサーがいない(生まれない)世界では人は魔族や魔王の呪いには勝てません。遠からず人類は絶滅し、何らかの魔族や魔王、『魔王の呪い』を継承した奴が世界を滅ぼしエルドラシルを解放して終わり。

それがガルムが統べる世界の終わりです。ちなみにガルムも世界の終わりと同時に「あー、私が統治した世界の終わりもこんなもんかー。はー、無価値だったわー」と感じに一緒に終わります。

やっぱこいつの目的が達成されたらロクでもねえな。

 

・ルティ編ラストのティオンの目的

これよく勘違いされているのですが、あのティオンは別にフィナの願いのために世界を滅ぼそうとしたわけではありません。

きっかけはフィナの願いですが、ヴァイスと完全に同化することで、その目的と世界に刻まれた原罪やバグの数々、更には『確定されし滅亡』が迫っていたことに気づき、それを回避するために世界のリセットを行うことを決めたのです。

それが結果としてフィナの願いを叶えることにもなるということですね。

あとこれも過去の日記で散々言っていますが、リセットされることによりこの世界に刻まれた原罪や『魔王の呪い』が消えるのでフィナのような犠牲者が二度と生まれない世界になる。ということでもあります。

ちなみにヴァイスが行おうとした世界のリセットは一瞬で世界と人間全てが消えるのでそこに痛みもなにもありません。これもヴァイスなりの慈悲。

次に目が覚めた時は原罪なき楽園に全員転生している感じですね。

(まあその楽園が構築されるまでは数百年かかりますが、人間からしてみると消されて転生までは一瞬の出来事ですね)

おそらくいろんな作品でよくラスボス系が「救済された世界」とか見せますが、大体そういう世界ってどこかしらに欠陥とかがあったり、幸せに見えても不幸せみたいな部分がありますが、ヴァイスのこれに関してはマジでそういう欠陥ないです。

なぜならヴァイスのこれは「世界を本来正しい形」に戻しているから。

今のエスペ世界は神王が勝手なシステムをいじって、世界システムを改変したり、干渉者が生まれたり、魔王の呪いや魔族が生まれたり、世界にいろんな原罪が生まれているからです。

本来のエルドラシルが生み出したエル=ユーナにはそんな穢れはなく、永劫の楽園の世界であったからです。

なので、ヴァイスの救済って単に世界を「本来の姿」に戻してるんですよ。つまるところ何度も言っているリセット。

だからこそ、エスペランサーではヴァイスが世界を救済した世界を見せていません。なぜなら、それはエスペ世界の理想の世界=答えとなってしまうから。

もうそれが生まれてしまうとエスペランサーの物語が進まないから。

製作者の視点から言うと、その世界では物語が生まれる余地がないんですよ。マジで平和すぎて。

強いて言えば、その数百年後に星王イシュタルが侵食に来てエスペランサーセイバーの世界になりますが、希望の軌跡編とか、そういう物語が生まれる余地がないからなぁ…。

まあでも、エスペ世界に住む人達からすれば平和に暮らせるのが一番なんでやっぱヴァイスの目的が達成されるのがいいんでしょうが製作者としては、その後の世界はもっとボロボロになって阿鼻叫喚な物語を紡いでほしいので、そうはいきません。

なによりも希望の軌跡編という続編(地獄)が待っているので……ニチャア

まあ、なのである意味あそこでティオンが勝っていた方が世界的には幸せだったし、確定されし滅亡も防げたんですよねぇ。

これもグレストが見ていた結末の一つであり、確定されし滅亡を防げた結末。

なので、実はこのルートのミレス先輩の死って「一見意味があるようで意味のない死」だったんです。なぜなら剣聖=ティオンによってもたらされる世界の救済=確定されし滅亡の踏破はミレス先輩の死が無駄になることで果たされるという矛盾。

しかし、ルティがミレス先輩の死を価値あるものにしてしまったので、逆に世界が存続し自分たちで確定されし滅亡を乗り越えないといけなくなってしまった。

こーれ皮肉ですね。

 

・ミレス先輩の予言

ということでミレス先輩の「剣聖のために死ぬ」。

これは結局ルティとティオンどっちのことか。

結論:両方

ただグレストも言ってるようにその状況(ルート・世界線)において、その比率や重要性は多く変化します。

ルティ編では言ったようにルティのために死ぬことによって、最後ルティが世界を存続させます。

しかし、先程も言ったようにこれは見方を変えるともうひとりの剣聖ティオンのためにミレスの死が「無駄な死」になった場合は、ティオンが世界のリセットを完了させるので、それによって世界は救われ、確定されし滅亡は防げます。

ぶっちゃけグレストからしたらルティ編のミレスは「無駄な死」の方が良かったんですよ。だって、そのほうが100%確定されし滅亡を防げるから。

でも、ルティが「無駄ではない死」として受け取ったので、「今の世界」のまま確定されし滅亡を乗り越えるしかなくなりました。もちろん、グレストはそのための準備もしていたので「それならそれでOK!」という感じで自分達で確定されし滅亡を乗り越える手段を続けます。

で、ティオン編の場合はミレスの役割は剣聖ティオンのために命をかけること。

これもティオン編のミレス先輩の活躍を見れば明白ですね。

ティオン編でやたらとあの人が死亡フラグ立てまくっていたのも、自分の役割に徹していたから。

結果、ティオン+ルティをラストのフォルクスの戦いまで導くことが出来ました。

で、実はこの時、グレストは「ミレスが死なない未来」を見ていたのです。

それがティオン編のこのルートだったのです。

しかし、このルートの結末にたどり着くにはミレスが「自分の命を賭す」覚悟を持って戦い続けることが必要不可欠でした。

どういうことかというと、ラストの戦闘でミレスを出していた方はわかりますが、彼はすでにフォルクスとの戦いに行き着くまでボロボロでした。仮にあそこで勝っても右目に埋め込んだ狂戦士の瞳の呪いで死んでいたでしょう。

ですが、それをフォルクスが破壊したことでミレスは生き残りました。

なぜか?

それはミレスが「自分の命を顧みず最後まで剣聖のために戦い続けたから」。

フォルクスはそのミレスの信念の高さに敬意を抱き、お前はまだここで死ぬには惜しい。と活かしてくれたのです。

もし、ここでミレスに「自分が生き残りたい」とかいう打算があれば、フォルクスはそれを見抜き、ミレスを助けることはしませんでした。

フォルクスがミレスを助けたのは100%他人(剣聖)のためだったから。そこに利己はない。

なので、最後の戦闘でミレスへのセリフにフォルクスのレスがあったのです。ちなみに他にレスがあったのはルティ・ティオンの両剣聖とオシリスだったかな?

なんか人によってレスする・レスしないのって大手ツイッタラーのTwitterあるあるみたいで草生えますね。

ともあれ、グレストはこれを知っていたからこそ「お前は剣聖のために死ね」と冷酷な命令をくだしたのです。

もしここでグレストが「けど、助かる道もある」みたいな希望を言っていたら、ミレスはそれに縋ります。結果、そうした利己が透けるので最後にフォルクスの救済がなくなるのです。

一見冷酷に見えたグレストによるミレスへの予言ですが、実はグレスト自身、ミレスには助かって欲しいと願う部分もあり、そのためにあえてこのように冷酷な予言を告げたのです。

もっともそのミレスが助かる未来も何万分の1という可能性ですが、それにたどり着けたのがティオン編のラストの世界線になります。

命を捧げると決めた剣聖ルティに対して、命を捧げた場合、ミレスはそのまま死亡し

逆に剣聖ティオンに対して、己の使命として割り切って殉じた場合、ミレスは生き残る。

こうなるとミレスってやっぱりルティよりも、ティオンのために行動したほうが正解な場合が多いですね。これもまた本人の気持ちからすると皮肉なところですが、知っての通り作者はそういう皮肉な運命や結末が大好きな人なので、これはこれでいいかなと思っております。

あ、ちなみにミレスはグレストの孫にあたります。

グレストの息子がパルティアなので、その子がミレスなので、めちゃ血縁ですね。

なので、ミレスに想うところがあるのは当然です。

とはいえ、今の彼は世界のために感情を切り捨てているので、孫すら世界の未来のためにと捨て駒にしますが。

ちなみにこれを若い頃のグレスが今のグレストを見たら「クソだな」と罵倒します。

エスペ戯言2

・ガルムの目的

そういや、Twitterではこいつのことについて色々言っていたけれど、こちらや日記ではこいつについて詳しく言ったことなかったかな?

結局、こいつの目的はなんだったのかというと。

これはまあ、作中でも言っていた通り『惰性で生きてる』。これです。

何言ってるの?って感じですが、本人もわりと自分含め周りや世界のこととかどうでもよくなってる人間なので。

本人自身も言ってますが、これは彼の魂そのものが完全に壊れているためです。

かつては明確な目的がありました。

アカシックレコードの力を手に干渉者を超える存在になる』『兄や父、神を超える存在になる』『この世の全ての力を再現する』

まあ、要は世界で最高の存在になりたいだとか、自分では出来ないこと全部をやりたいとかそんな感じですね。このへんは彼が凡人で、かつヴァイスやクレイムディアのような上の存在を知ってしまったので、それを超えたいと思った平凡な願いですね。

で、この場合なにが最悪かというと。彼にはそれが可能だったという点です。

ただし、それが『出来るまでの年月があまりに長すぎた』。

わかりやすい例ですと、5億年ボタンです。

ガルムはアカシックレコードの知識で限りなく不老不死になる方法も得ました。

マクスウェルという自分が至高の存在になるための組織も作りました。

最初のうちはそれはそれは熱心に頑張っていたでしょう。が、次第に魂が摩耗します。それこそ同じことの繰り返し、その進展も他者から見れば1ミリ程度しか進まないようなことを何年何十年とやります。

普通だったら折れます。というか折れるのが正解。

ただガルムはそれをずーーーーーっと続けてしまったんですよねぇ。これも正直、彼の魂が摩耗していたというのもあります。

彼自身も言っていましたが「下手にゴールが見えてしまったので、あとは全部惰性でやってしまった」。

私自身も、たまにこのようなことがあります。

わかり易い例であげると彼は延々と終わらないゲーム、それそこエンドコンテンツのオープンワールドをずっとプレイしてる状態。一昔前のMMORPGとかでもいいです、めちゃくちゃやることがありまくってそれこそ一生終わらないほどのエンドコンテンツがあるゲーム。

それをずっとログアウトすることも出来ず、他にやることもないので延々とそれをやり続けている廃人。

もう面白さもクソもない。なのにずっとやり続けている。なぜか?惰性。

これがガルムです。

なので、彼の『惰性』という言葉の真意もこういうことです。それこそもう終りが見えているMMOや、これ以上更新もなく運営もそのゲームから撤退してる。けれど、エンドコンテンツの7~8割をやってる状態。あと2~3割でこのゲームの全てをコンプできる(もっともそれが出来るのもまだまだはるか先の状態)

そんな状態をずっとやっている廃人プレイヤー。

完全に人間として彼は壊れてます。これがガルムの本性であり、彼という人間の正体。

じゃあ、終われば?と言われればそうなのですが、それも出来ないほど思考停止の状態になっているのです。

仮に彼が全てのエンドコンテンツをクリアして、世界最高の干渉者になっても「ああ、こんなもんか」で終わりでしょう。

目的を果たしても、もうそこに感じ入るものは一切ありません。

彼自身が言っていましたが「無価値」。それが彼の本質であり、彼自身も目的すらもその「無価値」になったのです。

これも以前Twitterかなにかで言いましたが、彼自身いつでも死んでいいと思っています。しかし、だからといって自分から死ぬ勇気もなければそれを実行する意思もありません。あるのは"惰性として生きること”。これまでやっていたのことの"繰り返し”をするだけ。

ただある意味で、これって一番人間らしい結末なんですよね。

惰性で、それまでやっていたことを延々と続ける。

究極の保守的思想であり、多分多くの人が割りと過去に何度かやっていることじゃないでしょうか。

春剣中の彼の陰謀や策謀、立ち回りなどは、実はそうした過去の自分の行動の繰り返しをしていただけなんですよね。そこに特別な感情も一切ありません。

だから一見すると悪行を楽しんでるようでも心の中は空っぽ。

「ああ、そういえば昔はこんなのでも心の底から楽しんでたなー」みたいな感じ。

ある意味で、悟りの境地みたいなものに到達してるとも言えますね。まあ、人としての魂が完全に壊れているので彼が理に至ることはありませんが。

なので、ガルムを倒すには彼になんらかの「価値」を見出したらダメなのです。

たとえば、作中で多くのキャラがガルムを脅威、不快、排除したいと言った感情を持ちました。

こうした感情を彼に抱く=彼に価値を見出す なので、その時点でダメなのです。

たとえば、不敗の覇王フォルクス。

彼はガルムが危険な因子であると分かって、自分の配下に入れました。

が、すぐには殺さなかったのはいくら不穏分子でもまだことを起こしていない者を処断するのは信義にもとる。

これはフォルクスのモデルでもある項羽の「鴻門の会」のエピソードから来ている部分です。

ようは明らかに疑わしい人物であったとしても、まだ反旗を翻していないのに「お前は怪しいから」で殺すのは武人のやることではない。

なので、フォルクスはガルムが事を起こし、自分に反旗を翻した際にそれを理由に討つ気だったのです。どこまでも武人体質な人ですが、これがいけなかった。

つまりガルムを「一人の人間」としてちゃんと見てたのです。

ヴァイスにしても、ガルムがクズなのは理解していましたが彼の持つ知識や力は役に立ちます。それを利用して、その後で処分するつもりでした。

ここでもガルムのことを「利用できる」と見て、彼に価値を見出していたのです。

他にグレッグやルーシー、クラウゼル、ぶっちゃけプレイヤーなども彼に「脅威」や「不快」「不安」「こいつなにかするんじゃないか?」と感じたこともありますが、それを感じた時点で、彼に「価値」を見ているので、そうなるとガルムの術中にハマるのです。

からしてみれば自分に対して「敬意」にしろ「利用価値」にしろ「脅威」や「不快」、「敵意」を感じれば、それを利用して逆手に取る方法はいくらでもあるのです。だって相手は自分に「価値」を見出したのですから、それを利用すれば生き残る方法はいくらでも見つかります。実際彼はそうやって長い年月生きてきて、そうした事態も飽きるほど経験してきたのです。

からしてみれば、どんな脅威や窮地も過去にプレイしてきたエンドレスコンテンツの延長線に過ぎません。しかも魂は壊れてるくせにプレイスキル自体は何千年とやってきてるせいで神がかってる。ほんまタチ悪いでこいつ。

なので、こいつを倒すためにいちばん重要なのは「こいつに価値を見出さない」=「無価値」と思って完全に切り捨てる。

これは作中だとフレイがそれを行っていました。

ようは「いや?お前が何言っても俺は殺すけど?」と完全に割り切って殺す。そこに殺意や復讐と言った余計な感情も一切入れない。ようは机の上にゴミがあるから、それをゴミ箱に捨てるくらいのドライさ。そこに一切の価値はない。

これはフレイも言っていましたが彼の復讐の炎はあくまでも自分自身に向けられています。なので、ガルムを殺すのはそのおまけみたいなもの。別に特別な感情もない。

だから、実は作中でフレイだけがガルムの本質である「無価値」を見抜いていたのです。

こいつにはなにかの価値(感情)を持って殺そうとしたら、その時点で負け。

なので、あのシーンのガルムは「ああ、こいつちゃんと分かってるな」とフレイが自分の本質を見抜いていたのに気づいたので「詰んだ」みたいな事を言って、大人しく諦めていたのです。

ああ、ちなみにこういう不老不死キャラにありがちな「やっと終われた……」みたいな自分の死に感謝する感情ありますが、こいつにはそれすらありません。

自分が終われるという事象に対しても「ふーん」と無関心。なぜなら魂が壊れているから。どこまでも無価値で壊れた男。それがガルム。あらためて書くとやっぱこいつ壊人だな。

あの最後の笑いも空虚な笑いで、「無価値」と嘲笑っていたのは自分と自分が見える世界がやっぱり最後まで無価値だったから。

なので、ルティ編をやっているとティオン編でガルムがあっさりと死んだ印象がありますが、むしろ自分の中ではガルムはああやってあっさり死ぬのが相応しいと思っております。

 

ん?グラド?知らない子ですね。

エスペ戯言1

そういえば、アルトサウディウスはエルドラシルに惚れていたから世界を壊して、エルドラシルを手に入れようとしたのですが、おそらく長い歴史の中で唯一エルドラシルを「一人の少女」として見ていたのはアルトサウディウスだけだったかもしれませんね。

 

というのもエルドラシルは生まれながらの理持ち=神のために、生まれると同時に世界樹を生み出し、その上にエル=ユーナという世界が生まれました。

基本的に彼女=世界という認識で、これは後にこの世界に降り立った神王クレイムディアもそうであり、ほとんどの人物がエルドラシルのことを少女というよりもまず「世界」あるいは「神」として考え、そこから彼女について語っているんですよね。

 

まあ、その認識は間違いではないですし、そもそもエルドラシルの姿を見た人物なんて、それこそ数えるほどですからね。

冷静に考えるとエルドラシルの姿を見たのって誰だろう……。

えーと、まず神王は見たと思います。

ただあいつの場合「ふーん、こいつが世界神エルドラシルねー」で終わったと思います。

ぶっちゃけあいつからしてみれば自分が支配する世界を支える柱程度にしか思ってませんから。まあ、それでもエルドラシルが死んだりしたら世界も消えるんで、神王にとってはエルドラシルが存続してくれるのが一番ですが。

 

その後はアルトサウディウスとファルナスですかね。

ファルナスについては、弟のアルトと同じようにエルドラシルに恋しますが、結局ファルナスはエルドラシルは世界神であり、この世界を支える神でなくてはいけないと身を引くんですよね。

なので、結局はエルドラシルを「少女」としてよりも「世界」として手放してしまった。

あとはイシュタル。こいつは論外。

他には時代がかなり飛んでエスペセイバーの星の伝承記の面々か。

まあ、こいつらも飛ばそう。

 

となると、やっぱり結局のところ、エルドラシルを神ではなく一人の少女として見て、そんな彼女を手に入れようとしたのは後にも先にもアルトサウディウスのみか。

ちなみにエルドラシル自身は自分の理の寿命が尽きるまで、世界そのものとなり、世界を支え続けるつもりでした。

ぶっちゃけ、今エル=ユーナにいる人間達って、あとからエルドラシルの世界に来た連中で、勝手にエルドラシルの世界に住み着いてるんですよね。

エルドラシルからしてみれば、自分の世界を作ったら、なんかそこに知らない人間が大勢引っ越してきて、勝手に住んでるんだけど。状態なんですよね。

まあでも、それを含めてエルドラシルは人も世界も愛しており、そこにいる生命をずっと見守ろうと決めておりました。

なのでエルドラシル自身も自分を少女とは思っていないですし、世界そのものと思って世界維持のために寿命を費やしていました。

けど、それに対してアルトサウディウスのみが「は?いや、ふざけんな。お前の命はお前だけのものだろう。お前は世界じゃない。一人の少女だ」って言って世界壊して、エルドラシルを手に入れようとしたんですよね。

これだけ聞くとまるで主人公みたいですけど、ぶっちゃけあいつのこの行動も「欲望」そのものであって、普通に世界滅ぼそうとしてたとんでもない奴なんですけどね。

 

ただそんなアルトサウディウスの行動はエルドラシルからしたら、どうすればいいのか戸惑う感じだったのかもしれませんね。

一貫して自分を世界ではなく、一人の少女として見続けた男。

ただエルドラシルからしたら自分の世界を捨てて、アルトサウディウスのもとに行くってのは絶対にできないでしょうね。アルトサウディウスが「欲望」という理に従っていたように、エルドラシルも自分の世界を支え続けるのが彼女の理だったので。

 

あ、ちなみにファルナスとエルドラシルがくっついてヴァイスが生まれたのはアルトサウディウスが滅んでしばらくですね。

これはファルナスが「アルトサウディウス(弟)があそこまで惚れ込んだ神ってどんな人だろう……」って会いに行って、それでまんまと惚れたってパターンです。

ちなみに、アルトサウディウスがそのことを知っても「ふーん」で終わります。

ぶっちゃけ他の奴がエルドラシルに惚れようが、それでエルドラシルとの間に子供ができようが、アルトサウディウスからしたらどうでもいいことなので。

彼にとって重要なのは自分がエルドラシルに惚れているという感情のみ。

なので別にファルナスに対して敵意を持ったりとかもないですね。

というか私の中でアルトサウディウスってかなり単純というか、いい意味で純粋。悪く言うと自分の気持ちしか考えてない奴なので。

 

ふと、そんなことを思い、エスペの戯言を書きました。

またなにか思いついたら書きます。