というわけで前回の続きから。
エスペセイバーでは様々な「理持ち」が登場し、彼らは全員いわゆる「神」です。
ですが、無印でも言っていたようにたとえ神であろうとも「寿命」は存在します。
それが「理の寿命」とも言われています。
「理の寿命」で死ぬ神には二種類います。それが自身の理の限界が訪れるパターンと、なんらかの外的要因によって理に亀裂が生じて、それが寿命となるパターン。
後者はエスペセイバー星の伝承記でのエルドラシルがそうですね。
また何らかの外的要因、いわゆる敵との戦いや同種との戦いで敗れた際の死因もこの場合は後者とまとめておきます。
そして、外的要因がない場合の理の寿命はおよそ数千年。
これは一般的な理持ちの寿命と考えていいです。
ただし、それぞれの理の性質や、階位によってこの寿命も異なってきます。
理には第一階位から第十二階位が存在し、当然上に行くほどその理の強大さを表します。
ですが、この場合、その理の階位が高ければ強いという単純なものではありません。無論、階位が高ければ高いほど総合的な強さも上なのは原則ではありますが。
理における階位は、その理の「影響力の高さ」「能力の高さ」が基準となっております。
いわゆるエルドラシルのように世界一つを生み出してそれを管理する理ならば、それは文字通り世界規模であり、その管理能力の高さから第三階位という能力の高さになります。
一方、クレイムディアは彼自身ではエルドラシルのように世界そのものを作り出すことはできません。彼は既存の世界に居座り、そこを統治・支配する能力に特化したもの。
このため、エルドラシルという世界を統治・管理できましたが、彼自身が世界を作ることはできず、あくまでも既存の世界を支配するという理能力だったために第六階位となっています。
またアルトサウディウスの場合、彼自身、世界を生み出したわけではありませんが、彼の場合はその理の力の高さが重視されています。いわゆる個人でひとつの世界を滅ぼせるほどの能力。
クレイムディアでもひとつの世界を滅ぼすのはさすがに無理があります、ですがこのアルトサウディウスは個人でひとつの世界を軽々と滅ぼし、その気になれば宇宙に存在する数多の星を欲望のままに蹂躙し、破壊することも可能です。
このためアルトサウディウスの階位は第二階位となっています。これは単純にアルトサウディウスの力そのものに対する階位となっています。
このように基本的に階位が上に行くほど、管理能力、理の影響力、個人の強さなどが引き立ちますが、では逆に階位が下の者はそうでもないのか?と思われるかもしれません。
ですが実はそんなことはなく、むしろ階位が下の者の方が有利な概念も存在します。それが“理における寿命”です。
実は理持ちは階位が下の者ほど寿命が長く、逆に階位が上の影響力が高いものほど、標準的な寿命になってしまいます。
(ただし第一階位のみはこの例外となります)
これはなぜか?それは上で書いたとおり理における影響力の高さに起因します。
たとえばエルドラシルなど自身の理によって世界を産み出し、ユグドラシル・ロゴスなるシステムも生み出しました。そして、これは彼女が生きている限り起動し続け、世界を回します。
つまり彼女の理とは常に24時間フルタイムで発動されているようなものなのです。
クレイムディアにしてもそうであり、彼の統治による理は本人の意思とは無関係に発動し、その影響を世界に与えています。
つまり彼らは一秒一秒、自身の理を消費している状態であり、これが理の寿命につながっていきます。
無論、これは高い影響力を持つ理のいわば自然の代償でもあり、その見返りとして彼らはひとつの世界を生み出したり、その世界のルールを好きに改変できるのですから、十分な対価は得ています。
そして逆に第十二~第九階位までのいわゆる個人規模と呼ばれる理の持ち主たち。
彼らは基本的に自身の理によって他者や世界への影響を与えません。
彼らの理はあくまでも“自分自身”にしか発動しないため、上記で書いております理の消費が極めて少ないです。
ですので、彼らの寿命は一般的な理持ちよりも遥かに長生きです。
このため、最も不老不死という神を体現しているのは個人規模の持ち主と言えます。とはいえ、彼らにはいずれは寿命は来るのですが、なんらかの外的要因にあわなければ上位の理よりは長生きでしょう。